映画芸術への招待 (講談社現代新書 409)

著者 :
  • 講談社
3.00
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 24
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061158092

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 大学時代に、著者の講義を聞いた記憶があるのです。多分客員といふ立場だと思ふのですが。
    こんなあやふやなことしか言へないのは、あまり真面目な学生ではなかつた証左と申せませう。

    さて本書は映画の芸術性についての論考が中心であります。
    その昔ドイツの美学者コンラート・ランゲといふ人は、映画非芸術論を展開したさうです。
    映画は絵画や文学と違ひ、現実をそのまま映すだけではないか、誰が撮影してもやはり同じものしか映らない、かかるものは芸術とは言へまい。乱暴にまとめればさういふことです。

    著者はランゲの主張を退ける形で、モンタージュをはじめとして様様な技法の歴史を開陳します。また、映画表現は制約があるがゆゑに作品に深みが出るとの指摘は首肯するところであります。
    さらに、似て非なる演劇との比較や、逆に相反すると思はれがちな文学との近似を平易なる文章で解説をするのでした。

    若干気になりますのは、著者はどうやら「芸術」なるものを神棚のやうな一段高いところに奉り、映画もその仲間である高尚なものなのだよ、と内心考へてゐるのではないか、といふことであります。
    さういふ一種の「臭み」を除けば、まことに読みやすい入門書と申せませう。

    http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11207474103.html

  • 映画理論の本とか読んだことないから何か手頃なものから、と思って探して手に取った本。敷居は低く、かといってヌルくなく、理論を理論と意識せぬまま読める。

  • [ 内容 ]


    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1914年、福島県生まれ。37年、東京帝国大学文学部卒業後、主婦之友社勤務を経て尼崎精工㈱に入社。
詩作を続け中原中也賞など受賞。66年より帝塚山学院短期大学で講義をはじめ、のちに名誉教授となる。
映画評論でも一家をなる。
大阪市民文化芸術賞、大阪芸術賞など受賞。著者は詩集『夜学生』『ミラボー橋』、評論集『映画芸術への招待』『詩への接近』、エッセイ集『映像の論理・詩の論理』『低く翔べ』『わが敗走』など多数にわたる。

「1994年 『なにわ塾第54巻 詩と映画と人生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

杉山平一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×