- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061158092
感想・レビュー・書評
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大学時代に、著者の講義を聞いた記憶があるのです。多分客員といふ立場だと思ふのですが。
こんなあやふやなことしか言へないのは、あまり真面目な学生ではなかつた証左と申せませう。
さて本書は映画の芸術性についての論考が中心であります。
その昔ドイツの美学者コンラート・ランゲといふ人は、映画非芸術論を展開したさうです。
映画は絵画や文学と違ひ、現実をそのまま映すだけではないか、誰が撮影してもやはり同じものしか映らない、かかるものは芸術とは言へまい。乱暴にまとめればさういふことです。
著者はランゲの主張を退ける形で、モンタージュをはじめとして様様な技法の歴史を開陳します。また、映画表現は制約があるがゆゑに作品に深みが出るとの指摘は首肯するところであります。
さらに、似て非なる演劇との比較や、逆に相反すると思はれがちな文学との近似を平易なる文章で解説をするのでした。
若干気になりますのは、著者はどうやら「芸術」なるものを神棚のやうな一段高いところに奉り、映画もその仲間である高尚なものなのだよ、と内心考へてゐるのではないか、といふことであります。
さういふ一種の「臭み」を除けば、まことに読みやすい入門書と申せませう。
http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11207474103.html詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画理論の本とか読んだことないから何か手頃なものから、と思って探して手に取った本。敷居は低く、かといってヌルくなく、理論を理論と意識せぬまま読める。
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