日本神話の源流 (講談社現代新書 420)

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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061158207

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  • 神話に秘められた民族移動と文化伝播の記憶。日本文化は「吹溜まりの文化」である。文化混淆の痕跡を日本神話の中に探る。

  • 岡正雄は、アマテラスの岩戸隠れの神話やイザナギ・イザナミ神話は、縄文末期に渡来した焼畑による陸稲栽培の文化によって、天孫降臨神話や神武の建国神話は、日本列島に国家的支配体制を持ち込んだユーラシア・ステップ地域の騎馬遊牧民の文化によって、日本にもたらされたと考えた。

    海幸山幸を中心とした日向神話は特にインドネシアの神話と、イザナギ・イザナミ神話は特にポリネシアの神話と顕著な類似がある。縄文時代中期に出現し、新しい文化が渡来したと思われる渦巻文様、土偶、乳棒状石斧、棍棒王石頭などは、ニューギニアからメラネシアの文化と著しく類似している。土偶の胴体や手足がばらばらにされているのは、身体から作物を生じさせるオオゲツヒメ的女神格をかたどったものとの説がある。これらの神話は、中国の江南地方から日本に及ぶとともに、インドネシアを経由してポリネシアまで波及した結果と説明されるが、それを証明することに成功していない。大林は、海幸山幸は、海の原理の呉と山の代表の越の対決と考えた。天の岩戸神話は、中国南部の苗族、アッサムのカシ族、ナガ族の神話、インドシナの日食起源神話と類似している。

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著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。
1988年、京都大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学。
2006年、京都大学「博士(教育学)」(論文博士)。
現在、大阪府立大学大学院教授(2022年4月より、大阪公立大学大学院現代システム科学研究科/現代システム科学域教育福祉学類所属)。

日本ホリスティック教育/ケア学会前会長。日本ユネスコ協会連盟理事。日本シュタイナー学校協会専門会員。京田辺シュタイナー学校顧問。

主な著作(単著)
『ホリスティック教育論:日本の動向と思想の地平』日本評論社。『ブーバー対話論とホリスティック教育:他者・呼びかけ・応答』勁草書房。『世界のホリスティック教育:もうひとつの持続可能な未来へ』日本評論社。『世界が変わる学び:ホリスティック/シュタイナー/オルタナティブ』ミネルヴァ書房。
(共編著)
『いのちに根ざす日本のシュタイナー教育』、『ホリスティックな気づきと学び』、『ホリスティック教育入門』、『持続可能な教育と文化:深化する環太平洋のESD』、『ホリスティック・ケア:新たなつながりの中の看護・福祉・教育』―以上、せせらぎ出版、ほか。(共著)『変容する世界と日本のオルタナティブ教育』(永田佳之編)世織書房、『ケアと人間:心理・教育・宗教』(西平直編)ミネルヴァ書房、ほか多数。

「2022年 『教育のオルタナティブ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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