あのときの カレーライス (講談社の創作絵本)

  • 講談社
3.15
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本棚登録 : 107
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (36ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061333345

作品紹介・あらすじ

その男は、とてもびんぼうでした。
 すがたはまるで怪物のようでしたが、働いて働いて、気がつくと大金持ちになっていたのです。
 ほしいものはなんでも手に入るようになった男がつぶやきました。
「ああ、あのときのカレーライスが食べたい。」
 まずしいときにごちそうになったカレーのことです。
 男の頭はそのカレーのことでどんどんいっぱいになっていき、家来や家族に無理を言って……気がついたら、またひとりぼっちの、びんぼうな男にもどっていたのです。
 そんな男がたどりついた先は……。

 「あらしのよるに」シリーズで知られるきむらゆういち氏と、小学館絵画賞、日本絵本賞大賞等多数の受賞がある重鎮伊藤秀男氏、初めてのコンビによる絵本です。
 「カレーライス」という身近な題材で、小さな子どもから楽しめますが、「人生でほんとうに大切なものは何か」という深いテーマが含まれています。

感想・レビュー・書評

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  • 〝男はとても貧乏でした。姿は、まるで怪物のようでしたが、とにかく働いて働いて、気がつくと大金持ちになっていたのです。欲しいもの何でも手に入るようになったとき、男は呟きました「ああ、あのときのカレーライスが食べたい!」貧しかったときにご馳走になったカレーのことでした...男の頭はそのカレーのことでどんどんいっぱいになっていき...周りのことはほっぽりだして...気がついたときには、また独りぼっちの貧乏人生活に戻っていたのでした・・・〟王様と呼ばれた男の人生訓話です。

  • 「おいしい」と感じることが、何によってもたらされるのか。みんな本当はよく知っているはずですよね。でも、忘れてしまいやすいのです。そう、昔から言われているとおり、「空腹」と「感謝」。「いただきます」って、いい言葉ですね。




  • 「おかねがなかったけどお金持ちになってまたびんぼうになったのが可哀想だった。がけから落ちたけどおじいちゃんおばあちゃんが助けたのがよかった。さいご仲良しになってカレー食べてたのが良かった。」

  • タイトルを見て、擬人化されたカレーライスがお礼を言いに来る話かと思ったが、全く違う話だった。
    まるで王様と言われている経済力も権力も持った男が、貧乏なときに食べたあのときのカレーを探す話。読み聞かせに読もうと思う。

  • 民話のような話。やや「ありふれた感」あり。

  • 思い出のカレーライスを食べるために
    お金で解決しようとしたお金持ちの話

    貧乏だった彼は
    今では町一番のお金持ちとなり
    お金で買えるものは全て経験した。
    しかし、ふと昔食べたカレーライスを食べたくなり
    多額のお金を投じて食べようとした。
    だけどどんなに良い食材やシェフを使っても
    再現出来たものが無く
    ついには人や財産も全て無くしてしまった。
    路頭に迷っていた時に足を滑らせ気絶をしてしまう。
    目を覚ましたときには誰かの家で保護されていたが
    食事で用意してもらえたのがカレーライスだった。
    実はそのカレーライスそのものが
    その男が追い求めていたカレーだった、という流れ。

    たぶん、どのカレーライスも美味しかったはずだったし、男の努力も間違いでは無かったと思う。
    だけど、再度貧乏だった自分に戻ることで
    食べ物に対する価値が変わったんじゃないかな。

    お金で満足した人生は、恩恵を感じにくくなるものだけど
    お金が無いからこそ得られる恩恵は、この上なく贅沢に感じることができる。

    本質として学んだことは
    お金持ちこそが成功じゃないんだよ
    お金で買えない「価値があるもの」もあるんだよ
    ということでした。

  • 貧乏時代に食べたカレーライスを懐かしみ、今ある財を投げやってそのカレーライスを再現しようとするが…
    空腹が1番のごちそう。

  • 自分にとって素敵なものは、一流のもの、ではなく、心に染み入ったものである。みたいな。

  • 子どもたちにも、私たちにも身近に楽しめる題材。道徳的な面もあるかな。思慮深いかと言われれば、疑問だけどね。

  • 5歳5ヶ月の息子と一緒に読みました。
    難しいかなぁと思いましたが、「面白かった!」と言っていたので一安心。
    一人でいると寂しいと言って、いつも誰かと一緒にいたがる息子だけに、最後の笑顔で団らんしている様子を見て、ホッとしたようです。
    https://www.ehonlog.com/books/180

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著者プロフィール

東京に生まれる。多摩美術大学卒業。造形教育の指導、テレビ幼児番組のブレーンなどを経て、現在、絵本・童話の創作、作詞、戯曲・コミックの原作、小説の執筆、講師をつとめるなど、幅広く活躍。『あらしのよるに』で、産経児童出版文化賞・講談社出版文化賞絵本賞受賞、斎田喬戯曲賞受賞。『オオカミのおうさま』で、日本絵本賞受賞。おもな作品に、「あかちゃんのあそびえほん」シリーズ、「木村裕一・しかけ絵本」シリーズ、「おはなしゲーム絵本」シリーズ、「2才からのあそびえほん」シリーズなどがある。

「2022年 『おでかけ版ごあいさつあそび+ピイちゃんパペットギフトセット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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