- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061490802
感想・レビュー・書評
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「ナチスが特殊である」とは考えてはならない。
現代でも起こりうる、もしくはすでに起こっているのかもしれない、それがレイシズムであると気付かない形で…。
ドイツにおけるユダヤ人を長い歴史を追って見ていく構成です。
「ユダヤ人」とはなんなのか?
ユダヤ人でありながらドイツ人であるとはどういうことなのか?
今やその土地で両親親戚から代々育ちその土地に暮らす という人間の方が少ない。
文化と文化との出会いの中で、どうすれば自分を多数派と置く人間は少数派の他人を許容できるのか。
嫌悪感があるとすれば、その正体は一体なんなのだろうか?
一方で、国が貧しかったり人々に余裕がなかったりという時にはまず国内の少数派が虐げられかねない ということも書かれる。
もちろんこれが免罪符になるわけではない。少数派=弱者に対する迫害はあってはならない。
だが人々の不安が少数の異質な集団への迫害へとつながるシステムがあることは押さえておきたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
かなり勉強になった本。今まで漠然としか理解できていなかったユダヤ人の基礎知識(どうやって定義されるのか?何故金融業や商店ばかりに従事してるのか?何故ユダヤ人は知能指数が他の民族と比べて高いのか?)が非常に分かりやすく説明されてる。近代の章に入ってからはだんだんと読むのが辛くなってくるわ(汗)
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ドイツとユダヤ人の関係を概観するにはいいと思う。前史をもう少し詳しく書いてほしかった。社会不安に陥ると異質なものが排除の対象になるのは分かる。それでもユダヤ人差別の根拠が日本人には理解しにくい。