漢字の字源 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061491939

作品紹介・あらすじ

食物や器の文字に形象された、古代の祭祀や日常生活。男女関係から天下国家をも描写し、珍獣妖怪まで跋扈する漢字たち。確かな理論と豊かな蘊蓄で繙く、中国四千年の社会文化史。

感想・レビュー・書評

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  • 2017/11/20 19:12:19

  • 新書文庫

  • 漢字パズルを作っていて、ふとその漢字の字源ってなんなのかなと気になりました。学校で、漢字の起源として象形文字、指事文字、会意文字、形声文字というものがあるということを習ったおぼろげな記憶はありましたが、もうちょっとこれについて詳しく書かれた読み物はないかなと探していて、この本に出会いました。
    この本自体は、数ある漢字の字源を体系的に紹介するというものではなく、中国の古代文化についての蘊蓄を語りつつ、そこからどのような漢字が生まれたかを読み物として書いてくれているもので、単に個々の漢字の字源を確認するよりも、よほど奥深く楽しく学ぶことができました。
    「字源」には必ずしも定説が確立しているものばかりではなく、むしろ学説がいろいろ分かれているものの方が多いというのが実態のようですが、それでも漢字の字源の探索というのはミステリの謎解きチックで興味深いものです。
    「婦」のつくりの箒は実は神前を清めるための道具でこの字は元々貴婦人を意味していたとか、「処女」とは元は単に自宅にいる未婚女性全般を意味していたに過ぎないとか、「男女七歳にして席を同じうせず」の「席」とは蓆の意味で、七歳になったら一緒の寝床で寝かすのはやめなさいという子育ての目安の意味で、学校の男女別学とは実は関係なかったとか、字源以外にも意外なトリビア満載で、その意味でもとても楽しめました。
    お勧めです。

  • 漢字の字源を探るって面白そうと思って手に取ったものの、内容は漢字の字源を探りつつ中国古代(秦の始皇帝の時代を中心とした)の文化論。
    まさに「羊頭狗肉」とはこのことである。
    しかし犬の肉が美味しいように、本書も予想した意味とは違った味があった。

    一番の着想は「文字と文化が密接に関係している」ということ。(著者も述べている。)
    印欧言語のアルファベットはフェニキア文字を源としており、現代ヨーロッパとは違った場所で生まれた。
    一方、漢字は甲骨文字や金文から生まれたものであり、発祥自体も現在の中国と同じ場所である。
    その文字から文化がわかるというのは、それ自体がすごいことなのである。

    最後に、「母」という漢字のヽが乳首を表しているというのを記しておきたい。

    2013.4.21(日)

  • ブックオフで半額。

  • 著者の「部首のはなし」が面白かったので、この本も購入しました。
    部首の話より、歴史的な事項が詳しく書かれています。
    「男女男」というのが1字であったり、「女男女」という漢字もあることをはじめて知りました。
    漢字を勉強するというのは、こういう本を読んで、漢字の歴史をしることだとわかりました。
    阿辻さんの書籍を、ほかにもたくさん読もうと思いました。

  • 4061491938  251p 1997・9・25 5刷

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著者プロフィール

京都大学名誉教授、公益財団法人日本漢字能力検定協会漢字文化研究所所長

「2017年 『角川新字源 改訂新版 特装版 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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