- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061492189
作品紹介・あらすじ
ユーゴ内戦、チェコスロヴァキア分裂、国外ハンガリー人をめぐる国境問題…。「ヨーロッパ統合」へと向かう冷戦後の世界で、なぜ旧東欧は解体を続けるのか。「民主化」「市場化」を果したEUに加盟する日は来るのか。「統合」「ヨーロッパ回帰」をキーワードに、民族問題の本質を探る。
感想・レビュー・書評
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筆者は東欧の民族問題は、社会主義のタガがはずれたためという説に疑問を呈している。筆者によると本質は彼らの「ヨーロッパ統合」への希求からだという。そして、欧米が西欧の価値観に基づいて一方に加担することが、対立に加担しているとも。
筆者はユーゴスラヴィア紛争についてこう書いている。
「ユーゴスラヴィアのなかで相対的に豊かで先進的なクロアチアとスロヴェニアが、セルビアやボスニアを切りすてるかたちで「ヨーロパ」への接近をめざそうとしたとすれば、セルビアの攻撃の客観的な分析と説明なしに、彼らの民族主義的で攻撃的な残虐性だけが一方的にメディアで報道されたことは、われわれが公正な思考と判断を養うことを困難にしたとはいえないだろうか」
これは現在、混迷を極めているシリア内戦にもあてはまると思う。 -
統合ヨーロッパの、と言っても
東ヨーロッパを中心に据えた議論となっています。
1994年のものなので今とは情勢は変わっているものの
こういった諸問題は今も内部にはあるものだと思われます。
また、こういった諸問題を乗り越えて
現在のEUがあるということはもちろんひとつの達成であり、
「現在のEU」よいのかどうかは別で議論されるべきですが
アジアブロックにおける連帯についての示唆もあると思います。
まぁ、地政学的な差がアジアでの連帯を
やりにくくしているのがわかってしまったりも。 -
もっと東欧もみようぜ!っていうこと。