がんで死ぬのはもったいない (講談社現代新書 1611)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061496118

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  • 身内ががんで手術をすることになった。新聞広告で本書を知ってすぐに書店に行った。1冊だけ残っていたものを購入しすぐ読み始めた。がん細胞がどういうものなのかはある程度本で読んだりテレビで見たりして知っているつもりだった。でも、本書を読んで自分ががんに対して全くの無知であることを知った。がんの手術でがん細胞を切り取るときには細心の注意を払わないと行けない。なぜならば、ほんのわずかでもがん細胞が他に飛び散っているとそれが再発の原因になるからだ。ところが、名医と言われるような医者であっても、けっこういい加減な手術をしている人がいるようだ。いくら愛想が良くて頼りになりそうな医者でも、実際の技術が未熟では困ったものだ。しかし、患者にはまたそれがわかりにくい。担当医の判断も、自分の命にかかわるという意味では、安易にうのみにできない。セカンドオピニオンの必要性があるわけだ。さて、本書では著者が抱えた進行性のがん患者について具体的な話が進められる。他の病院で、もう命は長くないでしょうと言われた人たちが、何とかならないかとテレビなどで紹介されることの多い著者を訪ねてくるのだ。著者は多種類の抗がん剤を用いて少しでもがんを後退させ、少しでも患者が普通の生活を続けられるように取り組んでいる。後3ヶ月と言われた人の命が1年以上持ちこたえる。そこにどういう意味を見出すのかは個人の問題だ。ただ、残念なことに本書に登場する患者たちは全て最後には亡くなっている。人間いずれは死ぬ。それはがんでなくても同じこと。でも、2人に1人はがんにかかると言う。自分だけががんにかからないという保証は全くない。最近ではがんであることを宣告することが多いらしい。そうしないと治療がうまく進められない。そのとき僕は、あなたはどうするか。ふだんからもう少し死ぬということについて、そして逆に生きるということについても考えておきたいものだ。本書は内容としてはかなり重たいものなのだけど、小説風に仕上げられていて、読んでいて引き込まれるものがあった。

  • [ 内容 ]
    日本の進行癌患者は見捨てられている!
    医師と患者はどのように共闘できるのか。
    注目の外科医が赤裸々に綴る感動の記録。

    [ 目次 ]
    序章 最高の笑顔
    第1章 「がんとは、どんな病気ですか?」
    第2章 癌の手術と抗癌剤治療
    第3章 自分の癌を知るということ
    終章 医者が患者を看取るとき

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    [ 参考となる書評 ]

  •  お金の運用の話はリスクという言葉が出てくるとわかりづらくなる。
     同様にガンの話も余命の話の中に確率が入ってくるからわかりづらくなる。

     人間は確率を理解するようにはできていないのではないだろうか?

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