- Amazon.co.jp ・本 (984ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061583221
作品紹介・あらすじ
天皇家を始め諸貴族・武門の系図から宗教者・芸術家・学者の各人脈、更に工芸・芸能・碁将棋・相撲など大衆娯楽の諸流派の系統まで、日本の家系と系譜を集大成した書。昭和11年に刊行され好評を博したものの復刻・縮刷版。日本の歴史と文化を支えてきた人々とその血脈・人脈が一望でき、歴史研究あるいは日本文化の理解のために欠かすことのできない情報を収録。巻末に日本史重要事項20を付す。
感想・レビュー・書評
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日本歴史の本を読むときに人物相互の関係が分かって重宝する。特に、皇室、藤原氏などの貴族・公卿、源氏、平氏などの武士。また、血縁、婚姻等の系図に限らず、仏教各宗派・神道・国学・儒学など宗教、学問の相承関係、茶道・能楽・絵画・彫刻・俳諧など、芸術の師弟関係の系譜も多く収録されている。系図、系譜が一冊本として纏まったものとしては、出色の書物だと思う。
歌人などもこれで探すと新たな発見をする。古今集に、清原深養父が出てきたので、清原氏の項(39頁)を見ると、天武天皇の裔で、曾孫は清少納言であることが分かった。
尤も、この本では、系譜の出典は一切明らかになっていない。102人の直系門人が記載されている松尾芭蕉門流(573頁~)などは、どこから史料を探して来たのだろうかと思ってしまう。とまれ、大変な労作である。
なお、戦前発行のせいか、女性の記載が少ないようである。大伴氏の系図(36頁)に出てくる女性は、田村大孃だけで、坂上郎女は出て来ない。
また、古事記や六国史に登場する姓氏が網羅されている訳でもなく、古代豪族の記載は少ない。従って、他の書物で補う必要がある。これに比して、武士の系譜は、豊富である。三省堂の「コンサイス日本人名事典」に載っていない人物も多い。この本に準拠した人名事典はないものか。
発刊は昭和11年。講談社学術文庫版の刊行に当たり、若干の追補したとのことだが、皇室御系譜(13頁)に、今上天皇及び親王、内親王が追加されたくらいで、皇族御系譜にも、その他の系譜にも追補はされていないようである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天皇家を始め諸貴族・武門の系図から宗教者・芸術家・学者の各人脈、更に工芸・芸能・碁将棋・相撲など大衆娯楽の諸流派の系統まで、日本の家系と系譜を集大成した書。昭和11年に刊行され好評を博したものの復刻・縮刷版。日本の歴史と文化を支えてきた人々とその血脈・人脈が一望でき、歴史研究あるいは日本文化の理解のために欠かすことのできない情報を収録。巻末に日本史重要事項20を付す。
正確には、ぱらぱら眺めただけであるが、本書の性格上、普通の本のように読了することはないと思われるので、現時点での感想を書く。
編者は、小学校を卒業しただけの街の歴史家であるという。学歴が無いばかりに学界に受け入れられることなく、公職に就くこともなく、生涯を街の一学者としてすごしたという。本書は国史大年表を作るための資料として、作成されたものであるという。
大変な、労作であり、手元に置きたい一冊である。 -
天皇家・公家・武家のみならず、武芸・文芸様々な系図が文庫1冊に入ってます。