雨森芳洲 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061596962

作品紹介・あらすじ

朝鮮語と中国語を自在に操る対馬藩の儒者に、朝鮮通信使は称賛の言葉を惜しまなかった-。木下順庵に学び、新井白石・荻生徂徠との交友を通して研鑽された芳洲の思想は、言語哲学に発し、偏見を排した文化・民族の平等理念へと昇華する。江戸時代、日朝親善の先駆者となり今日的思索を展開しながら、国学の擡頭により忘れさられた思想家が現代に甦る。

感想・レビュー・書評

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  • 朝鮮外交の最前線で活躍した儒学者「雨森芳洲」の生涯や卓越した思想や国際感覚を紹介する一冊。

    雨森芳洲のポイント
    ① 言語を出発点とする、体系的な朝鮮研究(風俗・文化・慣習・歴史)
    ② 外交実務を通じて得た、平等・台頭を基にする外交思想。相手の言語・風俗・文化・慣習・歴史を理解した上で、信頼関係を基に、「武」ではなく「理」を持ってして、外交を行う。
    ③ 文化相対主義

    こういう人物になりたいと思った。
    「相手の文化・価値観・事情・心情を理解した上で、信頼関係を基に交流する」のは、外交だけでなく日常の人間関係でも重要だと思う。

  • 江戸時代、対馬藩の朝鮮外交担当、すなわち徳川幕府における朝鮮外交の代表として、朝鮮通信使を迎えた雨森芳洲。外交の相手国の文化、言語、習慣を理解することによって、誠信の結びつきを築いて行こうという彼の考え方は、東アジア情勢が緊迫する今こそ世に知られるべきなのではないか。こうした歴史のなかに埋もれてしまった偉人を世間に紹介しようとした著者に拍手を送りたい。

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著者プロフィール

1948年生まれ。東京大学教養学科ドイツ分科卒業、同大学院人文科学比較文学比較文化課程修了。東京大学学術博士。国際日本文化研究センター教授、帝塚山学院大学文学部教授、同副学長、大手前大学教授等を経て、現在は大妻女子大学比較文化学部教授。専攻は比較文学・比較文化。著書に『倭人と韓人』『雨森芳洲』『文禄・慶長の役』、『日本文化交流小史』『勝海舟と幕末外交』『花と山水の文化誌』『聖徳太子と鉄の王朝』『空海と霊界めぐり伝説』『古代日本 謎の四世紀』『ハイブリッド日本』などのほか、共編著多数。

「2018年 『鎖国前夜ラプソディ 惺窩と家康の「日本の大航海時代」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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