戦国策 (講談社学術文庫)

著者 :
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061597099

作品紹介・あらすじ

前漢末の学者劉向が、皇帝の書庫にあった「国策」「国事」などの竹簡を編んで作った『戦国策』。三三編四八六章の長編を、人物編、術策編、弁説編の三編百章に再構成して平易に解説。陰謀が渦巻く戦国乱世を生き抜く巧智・奸智や説得の技法とは何か。「虎の威を借る狐」「漁夫の利」「先ず隗より始めよ」など故事名言の由来と古代中国の奥深い知恵を学ぶ。

感想・レビュー・書評

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  • 中国の春秋時代に活躍した説客達のエピソードを集めた一冊である。蘇秦・張儀などが有名であるが、他にも有名な説客は大勢いた。彼らは武力を用いずに知恵と弁舌をもって君主の心を動かし、国を動かした。混迷と激動の時代だからこそ、彼らの知恵やアイデアが価値を持っていたのだろう。一部、説客ではない将軍のエピソードも載っている。人間関係の機微に迫るものや現代に通じるエピソードも多く、とても面白い。

    彼らは君主に進言し、自分の話がいかに得であるかを説明・説得するわけだが、そのやり方が面白い。実利をそのまま訴えるよりも、例え話を用いている。難解な専門用語や小難しいデータなど、直接的な話よりも、上手い例え話と結びつけた方が物事の本質が良く理解できるということは、現代においても少なくない。この説客達のエピソードはそれを教えてくれる。

    それにしても、戦乱の世において智謀と口先で世を渡り歩いてきた説客達も凄いが、彼らの意見を聞き入れ、宰相などに取り立てた王達もまた賢明だったと言えるだろう。どんな優れた意見も採用されなければ仕方がない。説客の中には、中々意見が採用されずに他国に亡命し、そこで芽を出した者もいる。現代も同様で、能力ある者が自分を用いてくれる主を探して転職することは間違いではないのだと思う。現代人も常に自身の能力を磨き、忍耐強く理解者を探すことが大事なのだと思った。

  • 古代中国の説話集で色々な話があり面白かった。
    『戦国策』33篇486章の中から100章を選んで載せられています。
    一部は章の終わりに解説が入ったりしてますが、ある程度中国の戦国時代を知らないと読みにくいと思います。

  • 『戦国策』33篇486章から100章を選んで収録。戦国策に登場する人物や事績などの背景情報(コンテキスト)を知ってないと、取っ付きにくい部類の本。一読してすっと理解しにくい説話も多々あり。

  • キングダムの世界をより深く知るために、史記だけでは飽き足らず、戦国策を購入。

    ただ、この戦国策では100節に絞ってあるせいか、キングダムの時代(中華統一前)のことはあまり載っていなかった。ただ、中国の歴史に興味がある人には必読書だと思う。

    汗明や臨武君が出てきた時はちょっと笑えた。

  • 過酷な時代を生きた人々の処世術とゆうか、戦略戦術とは全く違うものです。いろんな喩え話がおもしろい。ちなみに解説が欲しいところで解説はなく、解説がいらないところで当たり前の解説があるなどおれ的にはそこが残念でした。

  • 戦国策のダイジェスト版としてオススメ。古代中国の遊説家が遺した数々の逸話。言い回しの勉強にもなります。

  • 「漁夫の利」などの故事名言古典。

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著者プロフィール

神戸大学名誉教授

「2023年 『商法総則・商行為法〔第9版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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