フォークの先、希望の後 THANATOS (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061826144

感想・レビュー・書評

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  • 再読(再再読?)

    タナトスシリーズ、というか汀先生というか
    文章のテンポが自分にはあっていて読み出すと止まらない。残り数ページになって次々と明らかになっていくこと。新たな展開。着地。

    何回か読んだにもかかわらず、久々に読んで泣いてしまった。年齢を重ねて読むと、また違った切なさと面白さを感じる。

    好みが分かれるのはわかっているけど、このシリーズ、好きだなぁ。

  • 小さい頃、うちにもたくさんの水槽がありました。なんの魚がいたのかは覚えていません。全編通して生と死を考えさせられて少しキツかったけれど、視点がカナちゃんなのは読みやすかった。古代魚から歴史を感じるのはロマンチックですね。

  • 本格のぶち壊し、学園ミステリーときて今作は家族ミステリーであり恋愛ミステリーだったなあという印象。彼方さんいいキャラしてる。
    あと高槻さんが早くもガンガン荒んできていて大変においしい一冊。
    凄惨に派手に人死にが出ないかわりといってはなんだけれども精神的に抉られるような嫌な感じの話。誰も間違ってないのだけれども誰もが別々の方向を向いていて、それ故の悲劇というか凄惨劇。狭い世界のなかで殺意を抱いたり抱かなかったり間違ったり間違ってなかったり。正しいことがいつも人を救うとは限らないやつ。
    文中にスナーク狩りの言葉がことあるごとに出てくるけれど、そんな感じに思惑が混沌としていた話だった。
    でもこれも読後感は悪くない。寧ろ爽やかでほんの少し切ない余韻が残る感じがいい。
    一途な恋心の果ては胸をうったし、人でなし達が集う館の最後は意外と穏やかで明るいとおもう。希望が見えるラストで、すごくよかった。

  • 相変わらず、と言うべきなのか終盤におけるスイッチの切り替え方が凄まじいですね。読み手をどん底に叩き落します。これ、鬱の時に読んじゃ絶対駄目な1冊だと思います。「ノルウェイの森」の次くらいに。褒め言葉ですが。

    前作までとは語り手が変わった上に、キャラの印象も少々異なるような気がします。シリーズ物の3冊目、という位置づけからするとちょっと微妙な部分もあるのですが、物語自体はとんでもなく面白いですし、痛々しい病み方だったと思います。

    あ、でも「武装錬金」ネタはさすがにマニアックかと。読者がついて…来そうですねえ。

  • タナトスシリーズは蘊蓄とか濃いセリフによるカロリー過多みたいなそれだけでは成立しない脂身みたいなのが、最終的にエンディングにまで昇華されるのを見るのが好きだったんだけど、今回はそれが薄いように感じられた。あと、シリーズ唯一の良心であった高槻のご乱心には普通にびびってしまった。

  • 08/17/2014 読了。

    高槻さんが錯乱してるよ…。
    彼方が登場して、感情が入れやすいというか
    視点をおきやすかったので、読みやすく感じました。

    彼方がいいキャラしてるなぁ…。

    皆、決して善人ではなくて、悪人でもなくて。
    それぞれの思うところに沿って突き抜けてるから、
    仕方ないのかもしれない。

    美樹と彼方が付き合うエンドは見えないのですが、
    彼方の想いが叶うのも想像できない。
    皆、長生きするといいな。

  • THANATOSシリーズ二作目
    3作読んで、この作品が一番好きかもしれない。
    全員の歪んだ愛情。全員が犯罪者。けれど憎めない。最後の最後にはっとさせられる展開で、とてもおもしろかった。

  • シリーズ3作目。このシリーズはタナトスの表記はあるけど巻数表示がないのが不思議なくらい順番通りに読んでてよかったと思う。
    今回は恋する乙女の視点から語られ、作者曰くハチクロを目指したらしいですが。それでいくとカナさんがはぐちゃんか。罪な女カナさん。
    ミステリ色は薄くなったけど、高槻視点じゃないためか、それぞれのキャラが今まで以上に引き立ってる感じ。
    とうとう高槻さんもタナトスにあてられちゃったのか…と思ったけども。
    でも完全にただの脅しでもそこまでやる必要なかったんじゃなかろうかとも思わなくもない。
    しかしほんとに他の事件と同時進行に…いろいろ起こりすぎだよこのお家。
    高槻もだけどカナさんも死なないといいな。
    高槻さんにうまいことだまされたので☆5で。

  • あれ?普通に面白く…なってきた…ような…
    キャラに慣れたからか、蘊蓄が控えめだったからか、視点が高槻では無かったからか…。
    ミステリでは無いかなという感じなんだけれども。
    はたして彼女はレギュラーとして生き残れるのか…

  • ところどころ文章が難解だったけど、おもしろかったー!!
    肺魚みたい。早速水族館に行ってみよう!!

    作者の言葉があったけど、ハチクロではないよなー(笑)

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著者プロフィール

1977年生まれ。大阪府出身。
追手門学院大学文学部卒。
『パラダイス・クローズド』で第37回メフィスト賞を受賞し、2008年にデビュー。
以来、「THANATOS」「完全犯罪研究部」「レベル99」シリーズ上梓のほか、ドラマCDのシナリオも数多く手がける。
2018年に上梓した『火の中の竜 ネットコンサルタント「さらまんどら」の炎上事件簿』 (メディアワークス文庫)が、新聞や小説誌の書評コーナーに取り上げられ、大きな話題に。
近著に『レベル95少女の試練と挫折』『五位鷺の姫君、うるはしき男どもに憂ひたまふ 平安ロマンチカ』『探偵は御簾の中 検非違使と奥様の平安事件簿』『探偵は御簾の中 鳴かぬ螢が身を焦がす』『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01 』(共著)などがある。

「2022年 『探偵は御簾の中 白桃殿さまご乱心』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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