天山の巫女ソニン1黄金の燕 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061827967

作品紹介・あらすじ

夢見-自らの魂をはるか遠い土地へ放ち、自在に行き来する力。生まれる前からその素質を見込まれた少女ソニンは、雲をつらぬく針のごとき"天山"で巫女の修行に励んでいたが、十二歳のときに、「見込み違い」として故郷へ帰されてしまう。家族との再会、初めてできた親友-穏やかな生活も束の間、"沙維の国"の王宮で、第七王子イウォルの侍女として働くことに。二つの隣国"巨山"と"江南"の緊張が高まる中、王宮内部では、国を揺るがす大事件が発生してしまう-。第40回日本児童文学者協会新人賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 活字倶楽部の特集で興味を持ち、表紙イラストもきれいだし、購入。
    読了。
    続き読みたい!続刊待てない!もういい単行本で1巻から大人買いしてやる!

    今ここ

    なりそこない巫女が、まあ色んなはずみで王子の侍女になるのだけど。
    ソニンが、確かに無垢で無欲なんだけど、『そういう性格』というより『それしかわからない』という感じなのでいやみもなく。語り口は柔らかくて、人の悪意はきちんとえがくけどあまり細かく描写せず。なんていうか、考えてみると王宮陰謀ものなのに妙にのほほんと優しい感じ。あとミンがすげえいい子。かわいい。主人公が割と『からっぽ』なので生き生きしてるのがいっそう際立つというか、正直この話の清涼剤だった。あとノアさまも好きだなー。

    少し前のジブリとかそのへん好きな人にはきっとツボると思う。
    あと、韓流ファンタジーはちょっと…と思ってたけど、全然気にならなかった。挿し絵が入って、ちょっと思い出す程度。

  • 落ちこぼれの巫女ソニンが主人公のファンタジー。
    巫女修行していた天山から、落ちこぼれ故に追い出されたソニンが下界で新たな生活を始めるところから物語が始まります。
    イウォル王子との出会いが、ソニンを新たな運命へと…
    ソニンが明るくて良い子。
    巫女として生きてきたせいか、ひねくれたところもなく運命に翻弄されながらも頑張る姿が良かった。
    下界に住む人たちの感情や考えについて、天山で修業していたソニンには全く未知のものであり、それについて冷静に見つめ考える姿が丁寧に書かれていたと思った。
    児童文学であるため、あっという間に読めちゃって物足りない感じがちょっと残念。

  • 朝鮮半島風の三つの国が舞台で、天山を追放された元巫女のソニンが、一国の末王子とともに、三国をめぐる政争に巻き込まれていくシリーズの最初の巻。基本的に「です」「ます」調で、児童文学ではあるのですが、語っていることは、ものすごく現代の日本の身につまされることが多い、しみじみくるシリーズです。最初の巻は主に国内の話題でそうでもないですが、二巻以降、他国とのつながりと争い、各国の庶民の人々や貧しい人々、王族の人々のそれぞれの暮らしがきちんと描かれていて、とてもよいシリーズなのでおすすめ。ソニンも最初は単なるイイ子ちゃんぽいですが、それは山から降りた直後だからで、だんだんと変貌していくさまが面白いです。

  • 純粋なソニンが下界で生きていくことでどう変わるのかこれかも見ていきたい。

  • 天山の巫女…とタイトルについているけどいきなり巫女じゃなくなってタイトルに偽りあり?と思ったけど、後の展開ではこのタイトルもありなのかな。この後の話もどうなるか楽しみ。

  • 守り人シリーズや勾玉シリーズのような読みごたえのある児童文学作品を探していたがついに良い作品に出会えた。ソニンは生まれたときから天山で育ったが故にものすごく純粋で読んでいて気持ちが良い。物語全体に関わってくる「モノの見方」「人の感情」について書かれているところはどれもハッとさせられとても印象的。天山では縁遠かった人々の感情を目の当たりにしたことでソニンがこれからどのように変わっていくのかが楽しみ。

  • 日常で役に立つような珠玉の名言が散りばめられていて、それこそが天女の物語。

  •  朝鮮半島を思わせる名前が出てくるし、宮廷に仕える女の子が主人公ということで、韓国ドラマのチャングムみたいだなと思いました。
     この著者の作品は初めて読んだのですが、短い文章でたくさんの事を語れる人だなぁと感心します。
     主人公のソニンはもちろんですが、貧しくても人をねたんだりうらやんだりせず、人にはそれぞれの生き方があると語るソニンのお父さんが本当にいい人で、その清らかさに心が洗われるようでした。
     2巻が楽しみ!

  • 児童書ですが、大人も楽しめると思いました。

  • 世界がしっかり構築されていて読み応えありました。ソニンと王子の関係。こんな関係いいなあ。

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著者プロフィール

1969年、福島県南相馬市生まれ。2002年、「橋の上の少年」で第36回北日本文学賞受賞。2005年、「ソニンと燕になった王子」で第46回講談社児童文学新人賞を受賞し、改題・加筆した『天山の巫女ソニン1 黄金の燕』でデビュー。同作品で第40回日本児童文学者協会新人賞を受賞した。「天山の巫女ソニン」シリーズ以外の著書に、『チポロ』3部作(講談社)、『羽州ものがたり』(角川書店)、『女王さまがおまちかね』(ポプラ社)、『アトリと五人の王』(中央公論新社)、『星天の兄弟』(東京創元社)がある。ペンネームは、子どものころ好きだった、雪を呼ぶといわれる初冬に飛ぶ虫の名からつけた。


「2023年 『YA!ジェンダーフリーアンソロジー TRUE Colors』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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