ショートショートの広場 (講談社文庫)

制作 : 星 新一 
  • 講談社
3.50
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本棚登録 : 703
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061835559

作品紹介・あらすじ

星新一ショートショート・コンテスト(1979年~1983年)に応募の2万5420編の中から、最優秀作、優秀作の58編を収録。どこにでもありそうな話から、空前絶後の空想の産物まで、プロも驚くアイデアの妙、そして文章の冴えをご満喫ください。編者による全作品への選評も同時収録!

感想・レビュー・書評

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  • 講談社が一般からショートショート作品を募集したものを星新一氏が選出したものであり、星新一氏の作品ではなかった。323ページ。

    星新一氏の作品を読んでみたかったなぁと残念に思いながら最初の作品「できすぎ」を読んだらすぐに惹き込まれた。文才の溜まり場か…と震えた。

    渾身の作品すぎて意味がわからないものもあった。








    以下ネタバレ!!!!


















    私の選出
    【できすぎ】
    できすぎな新薬の話。唯一の欠点は完璧であること。フッフッフ…って台詞が好き。
    【あるかもしれない】
    アパートの前に知らない子供がいて住み着いた話。シュールな雰囲気で好きだった。
    【キャベツ】
    キャベツが人間を乗っ取ろうとしている話。ぶっ飛んでいて面白かった。
    【愚か者の願い】
    願掛けすれば叶う能力を手に入れた人の話。人間の愚かさは侮れない。
    【魔法の薬】
    美しくて美味しい絶対に死ねる薬を手に入れて、死ぬきっかけを作るために色々挑戦したら成功しちゃった話。いくら成功してもその薬の魔力には敵わない。
    【読むな】
    最後まで読んだらだめだぞって言われる話。読んでしまった。
    【ホームシック・ホームシック】
    新婚の妻が観葉植物だらけにする話。妻がどこかの部族だったってこと?言い回しが面白くて何度も笑った。ショートショートっぽいタイトルなのも面白い。
    【十時五十六分】
    時計が目になってた話。元に戻れたのか気になった。
    【二重人格】
    第一人格と第二人格で愛し合ってる話。恐ろしかった。
    【完全犯罪】
    殺した女房が幽霊になってお別れを言いに来た話。2回読んだけどちゃんと理解できていない。最後「かんぱい」がひらがなということは乾杯ではなく完敗ってこと?
    【ムラサキの鍵】
    狂ってる人を助けたら分解できる人だった話。ゴジラが出てきて自分で蓋を閉めたのが面白かった。

    星新一氏のストレスが混ざりつつ丁寧な総評が面白かった。

  • アマチュアの本気はブロの惰性より全然いい。中学ん時~繰り返し読んでる。とくに(首)はほんとうにすばらしい近代ホラー。作者は今なにしてるんだろ。

  • すすめられて読んだが激しく後悔。
    素人作品集だと知らなかったのも誤算。
    中学生が考えそうな、設定のアイディアのみで中身ゼロの内容がほとんど。一つ読み終わるたびに「ナニ?このくだらないオチ、クソつまんな」とつぶやいてしまった。読むのにしっかりと1ヶ月以上かかった。働く大人の貴重な時間を返してもらいたい。

    この読むに値しない感想すら、掲載できそう。

  • 1979年から1983年までのコンテストの優秀作以上をまとめたもの。 一部は単行本で読んだもの。やはり優秀作だけあってよんだものは記憶に残っているものが多かった。「幸せの色の空」「魔法の薬」あたりが印象に残った。星さんが選評で「同じ二千枚でも四百枚の長編を5作読む方がはるかに楽」と言っているが、たしかにショートショートは若干疲れる。単に読むだけでもそうなので、選評するとなるとはるかに大変だったろう。

  • どれもこれも面白いが、ちょっと飽きるかな。

  • 今でも十分魅力ある作品もあるし、すっかり古びてしまった感のある作品もある。全体としては前者の方が多いかな。
    空いた時間に、ちょこっと楽しむのはショートショートに限る。

  • 星新一ショートショート・コンテスト(1979~1983)の最優秀作、優秀作の58編収録です。
    全作品に星新一の選評があり、成程プロの見所はこうかという発見が面白かったです。

    初めはなんだ星新一じゃないのかと思いながら仕方なしに読み始めましたが、次第に止まらなくなりました。
    筆者が違えば作風も違うので、逆にバリエーション豊富で飽きずに読み進みました。
    その後デビューした実力者もいる位なので、どの作品もそれぞれに面白かったです。
    奇抜なアイデアで勝負する技巧派と、独特の世界観で勝負するムード派に大別できますが、なかでも印象に残った作品が、ムード派の、安土 萌さんの「“海”」でした。

    静かに“海”がやって来ます。隣町はすでに“海”でした。でも誰も逃げようとしません。
    団地の一号棟は“海”になりましたが、一号棟の住人が昨夜逃げたという話は聞きません。
    とうとう隣の家も“海”になり、夜とともに私のところへも“海”が来ます。
    私は逃げることも出来ますが、いつもどおりのんびり過してベッドで眠るというお話です。

    ずうっと、のんびりした雰囲気が漂っています。
    住人はキラキラ輝く“海”をぽかんと見詰め、開け放した窓からは一日中、透きとおる風船のような潮風が吹き抜けます。
    “海”は沖の方で、濃いエメラルド・グリーンの縞模様を描き、さざ波が白く光ります。
    よい天気です。そして静かに“海”がやって来ます。

    しかし、のんびりした雰囲気にそこはかとない心細さが潜みます。
    まぶしい光に包まれた、波の音しか聞こえない桃源郷のような幸福感に満ちた世界ですが、人間の気配がしません。これがとても心細い感じです。
    そして人智を超えた“海”には吞み込まれてしまう方が帰って安心を得られるんじゃないかと、思考停止してしまう感覚。
    選評の、“妖女シレーヌの歌に魂を奪われた感じ”、“疲れ果てた人類へのララバイ”とは言い得て妙です。

    “海”になることは生まれ変わりの過程を暗示しているようにも感じましたが、既視感を伴って、三途の川、若しくは生まれたての赤ん坊の感覚がこうではないかと思いました。とても不思議な作品です。

  • ”二重人格”がよかった。

  • これはショートショートコンテストに応募された作品の中からの優秀作品を収録しているとあり、いろいろな作風のショートショートがありショートショートといえば星新一ですがそれとは違っておもしろい。

  • こうゆう優れたアイディアに溢れた短編集は面白いね、ショートショートってゆうのね。
    アイディアだけでなく、文章力や構成も面白くするために重要な要素ってのを実感。

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