静波の家: ある連続殺人事件の記録 (講談社文庫 え 12-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061842847

感想・レビュー・書評

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  •  「静波は教育の失敗例です」。5人を殺戮した殺人鬼の母親のインタビューだ。

     随分前に読んだ本だが、この冷静な評論口調と死刑判決にVサインをする異様さに打ちのめされたものである。

     事件発生当日(昭和57年5月27日)、隣の大船でラジオから一報を聞いた。興奮したアナウンサーの声がずっと心に残っていた。

     藤沢市には、その前月に日大に入学した高校時代の友人を訪ねていた。おまけに口封じに共犯者を殺した尼崎市は、その後住んだ隣町だ。

     犯人は、とても美しい名前の藤間静波。

     母娘殺人事件の端緒は気のない男に住所や電話番号まで教えてしまった女心。

     のぼせ上がる純情な男。私にも似た経験が何度もあるくらいだから、モテる気持ちを味わいたいありふれた女心なのだろう。

     ところが母親に教育の失敗例と総括されることになる静波は、スルーすることができなかった。

     その一部始終は本書を読んでいただきたい。

     犯人の家族関係や裁判に全体の2/3が占めているように、事件と同じくらい興味をそそられる内容になっている。

     藤間静波は2007年(平成19年)12月7日、東京拘置所で死刑執行された。享年47歳。

  • こういう悲惨な人生もあるんだとしばし絶句

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