猫と針金 (講談社文庫 は 29-4)

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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (389ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061855649

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  • アメリカ文学史に燦然と輝く長編歴史小説「オゥ・シェナンドゥ」の著者アルマ・グレースの没後50周年に,その続編が発表される.
    アルマの日記と,その家族の証言を基に,続編の執筆を依頼されたホーギーとその相棒ルル.グレース家の家政婦に「オゥ・シェナンドゥ」にまつわる噂話を聞いた直後に彼女は階段から転落し,死亡する.

    今回のホーギーは,今までなかった,猫と人間の子供との絡みがあり,そのやり取りだけでも読む価値あり.

  •  このシリーズはコンスタントに面白い。作中の時代背景を知らないため、このシリーズを読むたびにその時代を知ることができ、面白く、感心する。
     今作はホーグが自伝のゴーストではなく、有名な本の続編のゴーストを請け負った。少しは作家として、成長しカムバックも近くなったかなと思った。

  • このシリーズのことはまったく知らなかったので、予想外の幸福を味わえました。
    『風と共に去りぬ』を露骨に連想させる(そしてちょっぴり小馬鹿にした)名作の続編が
    五十年後に作られることになり、作者の遺族からゴーストを頼まれた主人公ホーグが事件に巻き込まれる。
    ホ-ギーが犬のルルに、アレルギー用の薬をアンチョビにくるんで飲みこませる場面で
    「おおーっ!」と思いました。猫好きでもないのに……って猫じゃないか。

    そして回想の中の殺人と来て「待ってました!」。
    口封じが少し多すぎやしませんかと言いたくなったけど、ああそういうわけなんですね。
    うまいなあと思うのは、頑固で孤独なメイヴィスを通して、
    より偉大だった母親の姿が二重写しで浮び上ってくること。
    描写や会話がいいので、読んでいてすごく気持ちがいい。
    メイヴィスが馬嫌いになった理由がよくわからなかったけど、まあいいや。
    ミステリはこうでなくちゃ!

  • 殺人とか犯人とかどうでもよくて、会話文だけで楽しめる小説。
    手元にはあと一冊、いつ読もうか。

  • シナリオ9
    文章精度9
    ウィット8
    トリック5
    残留度8


    今回は人物がすごくおおかった。
    ホーギーの素敵な台詞がすくなく、残念だったが、
    ゴーディを抱きしめるシーンとか、最高に切なくてよかった。
    最後の電話するところで終わる、終わり方もかっこいい!

  • ホーギーシリーズ4作目。ホーギー最高。この作品がホーギーシリーズの中でいちばん好きかも。すべてがパーフェクト。

  • 『フィッツジェラルドを目指した男』の方が、お話としてはよくできているのに読んでいて楽しかったのはこちらのほうでした。何故だ。このホーギーシリーズは発表順無視して読んでいるので(ほとんど絶版で図書館と古書店にしかない)ホーギーの結婚離婚再婚の過程が頭の中でぐちゃぐちゃです。絶版にするのはもったいないいいシリーズだと思うんだけどな。ホーギーは相変わらず、シリアスな場面でも何気ない日常のの会話でも目の前に銃を突きつけられてもウィットに富んだセリフを吐く。そんなホーギーに対し少女が、あなたって笑わないのね、と言う。彼の人物像を的確に指摘している言葉。ホーギーはジョークを連発しても、本人は笑っていない。厄介な難しい性格。それがまたいいんだけどね。

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