水色のノート

著者 : 藤堂志津子

• 講談社 (1993年6月1日発売)

感想・レビュー・書評

[ラクレットさんの感想 · 2022年3月17日]

結ばれずに終ってしまった恋、終わりを告げようとしている恋、結ばれる予感のある恋。女の恋はどこで結ばれ、どこで破れるのか。狂おしい恋を通じて男の誠実さに出会ったとき、ヒロインたちはもの狂いから目醒める。そのときこそ女の“自分で自分が見えてくる瞬間"かもしれない。心を洗う五つの愛の物語。
（1993年）
— 目次 —
厚化粧
黒い瞳
ピエロの微笑
水色のノート
微笑みがえし

[ミキさんの感想 · 2006年8月29日]

短編集。モチーフに古典を使い、くじけても立ち直る女性たちが主人公。そこに愛だの幸せがないからこそ､それらの存在が浮き上がるとでも言おうか、人恋しくなるお話たち。世知辛い題材たちを、最後は優しく、暖かく包む手腕は藤堂マジック。