まんが美智子皇后物語

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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062067416

感想・レビュー・書評

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  • 次に読む本の目次を眺めていたら目が滑った。活字が頭に入って
    こない。こんな時に読み始めたらいけないので、一旦本を閉じた。

    でも、何か読みたい。そうだ、まんがにしよう。という訳で本書である。
    タイトルそのまま、皇后陛下のお話。皇室ウォッチャーである私に
    友人が送ってくれたもの。

    こう言っては作者に失礼かもしれないが、少女漫画タッチなので
    登場人物の誰一人として似てないのだ。そりゃ皇后陛下はご本人
    の方がまんがよりお美しい。でも、皇后陛下以外の人物があまり
    にも美化されていて誰が誰やら…の状態。

    浜尾侍従や黒木侍従なんてふきだしに名前が入っていなかったら、
    陛下のご学友と区別がつかなかったわ。

    と、絵柄の文句はこれくらいにしておこう。物語は戦時中、正田家の
    群馬県館林市への疎開から始まり、有名な軽井沢のテニスコートで
    の出会い、連日の陛下からの電話、そしてプロポーズ。

    テレビの皇室特番や皇室関係の書籍、女性週刊誌の記事などで知っ
    ていることばかりではあったのだが、泣けた。

    民間からの初のお妃として天皇家と言う特別な家に嫁ぐ決意、ご成婚
    後のご苦労。元華族や元宮家が今より発言権のあった時代だ。皇后
    陛下(当時は東宮妃)がどれほど優れた女性であっても、民間出身
    というだけで厳しい目で見られていたんだよね。

    そもそもご婚約の記者会見後でも正田家に辞退を迫るようなことをして
    いる勢力もあったし、ご成婚当日の手袋の長さだって取りざたされた。

    「美智子妃いじめ」と一口に言われるが、育った環境の違いには埋めら
    れない溝があったのだと思う。大正天皇の后であった貞明皇后と香淳
    皇后の仲だって、決してうまく行っていたとは言えないのだから。

    それでも泣けたわ。特に第二子を流産され、長期の静養に入られた頃
    のお話には。そして、愛娘を皇室へ嫁がせた正田家のご両親のご心痛
    を思うとさらに泣けた。

    本書は皇太子妃時代の話が大半で、今上陛下の即位後、徳仁皇太子
    殿下のご成婚までで終わっている。

    今上陛下と皇后陛下は、このまんがでは描き切れないほどの多くの壁
    を乗り越えていらっしゃったのだろう。ご成婚50年目に両陛下の日常を
    追ったテレビ番組があったが、皇居内を散策されるおふたりはとても
    仲睦まじく、見ている方もニコニコしてしまった。

    今上陛下のご意向通りに平成30年で退位なさったら、おふたりでごゆっく
    りお過ごし頂きたいと思うわ。

    尚、本書では私の大好きな入江相政侍従もちょっぴり出ているので
    嬉しかった。

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