定年破壊

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062102056

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  • ・定年廃止の合理性だけでなくご丁寧に現実的な政策実現策も示す
    ・どちらかというとマクロ視点と個人視点で中間の企業実務視点は薄目。
    ・定年制度と対をなす仕組みとして新卒一括採用が崩れることへの言及乏しく、その点で企業へのインパクトと処方箋に関するところがが片手落ちなような気がした。
    ・また市場性重視のプロフェッショナル志向を訴えるが、米国は雇用流動化がコスト引き上げ要因になっているとの言及もあり、どないせえと?また一生懸命頑張る管理職を時代遅れと腐す感じになるのはイヤ。このあたりの折り合いがうまくつけれなかった。
    ・個の確立+信頼の確立が大きな流れであろう。

    以下備忘
    ・引き算から足し算の職業人生へ
    ・定年から逆算(あと何年)→あそこまでいけば十分に良い仕事をしたと思えるだろうな
    ・役職定年の功罪:もう現役ではないという気分になる
    ・会社依存→市場で勝負できる
    ☆プロフェッショナル=引退のありかたのちがい。自ら引き際決めれる。
    ◎プロフェッショナルのイメージが人によってちがうのではないか???
    ◎能力開発=40代で棚卸し。長期休暇制度。
    ・能力開発=企業主導→個人選択 市場価値向上するなら自己負担
    ・「~だった/〇〇会社の課長だった」→「~をやった/成し遂げた」

    ・せっかくの能力や実績を無視するのは不合理、ムダ、ムラ、ムリ
    ・組織の若返りという錯覚:能力本位であるべし。後進に譲るが合理的=若手の能力がすでに上回っているか、そうなる可能性が高い場合のみ。譲ってもらうのを待っているようでは託せない。能力で上回ってから言え。
    ・年功主義:年長者は管理職につける。経営トップは年長者。経営層の権威を守るために従業員には60歳の引退を強制するのか。最たる例が官僚で、同期の誰かが次官になるときには皆退職している。
    ・現在の意思決定に参加できない世代に負担を先送りするのは「それをやってはおしまいよ」の禁じ手。(厚生年金保険料凍結し少子化対策を優先)
    ・長寿化と少子化=経済成長によって豊かな社会になった結果。高齢化を巻き戻しするのではなく高齢化になっても困らないように制度を変える。

    ・定年はなぜ存在するか
    ・年功賃金&年功処遇(椅子が足りない)だから
    ☆一律だから。「多様な高齢者に一律の延長はむり」↔「多様な処遇であれば一律の延長も可能」
    ・年長者が偉い≒年長者が邪魔
    ・高齢者が技術、知識にキャッチアップできない=研修は若手中心、中高年に対する体系的な研修制度ない(投資回収短いbut若手が長いのか?技術構造が安定的なときだけのはず)
    ☆三過ぎる=子供は勉強しすぎる・大人は忙しすぎる・年を取ったら暇すぎる
    ☆能力・意欲の差=企業によって人為的につくられる。入社時に差がなくても、少しでもできると思われるとよい部署に配属・転換で差が拡大していく。

    ・長期の収支勘定を合わせる仕組み
    ・短期収支=賃金フラットに。退職金もやめる。
    ◎評価の透明性=①個人のキャリア開発②評価者の評価能力向上

    ・労組:交渉力と情報力の格差を埋める機能として有効
    ・年金=積立方式or賦課方式(世代間の助け合い)
    ・賦課方式はピラミッドのときうまくいく、差益大きく分配小さくて余裕。

    ☆短期収支(能力主義)に切り替える代わりに定年延長・廃止

    ・リストラによるコスト削減はパンドラ
     終身雇用の見返りに安い賃金で優秀な人材を抱え込む。能力主義でいくしかなくなったアメリカは年功制に戻りたくても戻れない。雇用流動化がコスト引き上げ要因にもなっている。

  • 分類=経営・雇用・定年制度。00年9月。

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著者プロフィール

1954年、東京都生まれ。現在、慶應義塾大学商学部教授。労働経済学専攻。<br>[主要著書]<br>『高齢者の労働経済学』(日本経済新聞社、1992年)、『高齢化社会の労働市場』(東洋経済新報社、1993年)、『生涯現役社会の条件』(中公新書、1998年)、『定年破壊』(講談社、2000年)、『労働経済』(東洋経済新報社、2002年)、『生涯現役社会をめざして』(日本放送出版協会、2003年)、『高齢者就業の経済学』(共著、日本経済新聞社、2004年)など。

「2005年 『高齢社会日本の雇用政策』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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