- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062116718
作品紹介・あらすじ
近代日本文学の正統から排除された少年愛=自己愛の文化的系譜をたどり、「無垢」のイメージに託された価値と理論を現代に問う力作評論。
感想・レビュー・書評
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同性愛への興味から、だんだんと少年愛の方へ興味が移り、図書館で「少年愛」検索をしてひっかかった本です。
折口信夫「口ぶえ」
山崎俊夫「夕化粧」
江戸川乱歩「乱歩打明け話」「孤島の鬼」
稲垣足穂「少年愛の美学」
三島由紀夫「仮面の告白」「英霊の声」
に主に触れながら少年愛、その中に潜む無垢のメカニズムを説き明かします。
最終章では、おなじみの「やおい」や「耽美」にちょこっと触れています。そこらへんは他の物で補完した方が良いでしょう。
少年愛だからと、この本をスルーするのは人間の心のメカニズムを知るきっかけを逃してしまう事につながると思います。
今となってはアブノーマルかも知れませんが、そんなところには隠されてしまった価値があります。
それを知る、良い本だと思いました。
さて、足穂よむかな・・・(高校時代断念した人)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
最初の方の、自己愛と少年愛の関連について書いている所が興味深い。
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文章については(略)。扱っている領域はもっと多くの議論が必要と思われる。僕も議論したい。力不足ゆえに尻込みする必要はたぶんないだろう。がんばろう。
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少年愛小説そのものについてはもっと詳しい本もあるだろうが、読みやすかった。結構さっさと読めた感じ。明治~昭和の文学が中心で、現代耽美小説そしてオタク文化にもさらりと触れてます。
現在、「なぜ百合がにわかに流行っているか」を理解する鍵の一つ。