- Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062122481
作品紹介・あらすじ
ネット掲示板「メビウスゼロ」に書き込みをする"チェルシー"と名乗る少女。その掲示板では、集団自殺旅行『フェアウェル・ツアー』が計画されていた。気怠い毎日に感じるぼんやりとした苛立ち。そして、そこからの逃亡。チェルシー、ポッキー、プリッツ、ハイジの4人は、富士の樹海を目指す。死へと向かっていく少女たち、スリリングな旅の果てにたどり着く場所は-。
感想・レビュー・書評
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好きな小説家の一人だったので迷わずに手に取りました
主人公の17歳の少女が自殺に走る、その背景にある心の感じ方や葛藤に強い共感を覚えて目が離せませんでした。
それぞれ深い傷を抱えた若者たちが集って自殺に向けて行動してゆく描写がすごく切なかったです。 -
【△/♯/β】
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やっぱりそうなっちゃうよねぇ(^^) 恋って素敵♪
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表紙買いをした1冊。
女性作家好きになったきっかけかもしれない。
初めて読んだ桜井亜美さんの本。 -
チェルシー、ポッキー、ハイジの死ぬ前にやりたいことって
生きることへの未練を増長させるものだったんじゃないかって思った。 -
読書感想文をこれで書いた記憶があります。
自殺志願者4人のお話。
自分のやり残し方ことを死ぬための旅でやるというストーリー
恋も涙もある素敵なお話でした。
サイトで知り合っただけだから関係性があまりなかったのに、濃くなっていく。
人と人の関わりも描かれています。 -
集団自殺のはなし
重たいけど、爽やか -
きっと自分は死ぬまで、自分しか自分の重さを受け止められないんだと思う。もう何も期待しない。誰にも寄りかからない。でも、そんなふうに生きていくのって、辛くて苦しいだけ。まるで終わりがない拷問みたい。
「行かなくても理由は分かってる。ぼくは自分が本能をむき出しにする瞬間が嫌いなんだ。生きることにうんざりしててこの世界から消えたくて、投げやりに生きてるのに、その時だけは別人みたいにギラギラして、相手を制服するためならどんなひどいことでもしそうになる。その時の自分がおぞましくて醜くて、耐えられない」
ここにもあたしの家族と同種がいた。
人間は全部、言葉で説明できる物理学の方程式のようなものだと思っている。方程式に取って代わって自分を支配する強い衝動を、跡形もなく焼却炉で焼き尽くさなければならないと。
あとに残るのは、空虚な闇を人間の皮で覆った髑髏に過ぎないのに。
彼らは本能の衝動の激しさが怖いのだ。自分を自分にしている、すべてのプライドや理性の建造物を吹っ飛ばしてゼロにしてしまうから。
インサートして欲望のままに腰を動かす瞬間の、存在の根源を揺さぶる自我消滅感が、プライドをすべて奪い取って丸裸にしてしまう。心が剥き出しになった惨めさに震える、ただのかよわい獣に変容させてしまう。きっとそんなことは許せないのだ。自分だけはあっけなく原始的な本能に屈する人々とは違うのだと、信じていたいのだ。
*サイトで知り合った4人の自殺志望者たちの話。
タイトルと装丁にひかれたから内容は意外だった。
初めて読んだ作家さんだったけど良かった。
文庫だと終わり方が違うみたいだからそっちも読みたいな。
09'04'30 -
自殺志願者たち
決行までの日々
桜井さんの作品は
描写が素敵で好きだけど
ストーリー的には綺麗すぎて甘すぎる
チェルシーもポッキーも
“それ”に値しないただのポーズにすぎない衝動だったんじゃないのか と
プリッツが
どこまでも哀しかった
あと
ハイジのマスカラ