- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062131612
作品紹介・あらすじ
画家・仁木妙子は、ある日一通の手紙を受け取る。差出人は、哲学者・九鬼周造の研究者として知られる永沢英之だった。京都に永沢を訪ねた妙子は、その男の中に「封じ込められた野性」を見つけ、その生々しい魅力にひきこまれてゆく-。「邂逅」ともいうべき出逢いは、運命の歯車に導かれ、恍惚の愛の果てへと向かう。美とエロス、いきの姿を描き、究極の愛、そして魂の解放へと迫る最高の恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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07年6月。
仁木妙子33歳は読んだ本の著者に自分で描いた絵を送った。永沢英之なる著者から手紙が届き永沢の住む京都で交際が始まる。いきなりの性描写で、英之のどこか普通でない様子が伺え、彼の持つ二面性に戸惑いながらも自身に非があると思い込む妙子が痛々しい。
英之に疑いを持ち、永沢家を昔から知る宿の主人から彼の過去を聞いた妙子。物語は急転する。
永沢のもう一つの姿は、「目の底に光が集まる」「激しい光で射すくめる」「意識の革袋が破れかける」といった形で始まる。相手から光を感じるってどういう気持ちなんだろう。
とても感想が難しい本でした。
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注!!ネタバレだらけの記事です。
どうなのよ、この話。
尊敬する哲学者と恋に落ち、東京ー京都の遠距離恋愛をスタートさせる。
男52歳、女32歳の大人の恋物語。
ところが、男は実は哲学者ではなく、その弟だった。
複雑な出生の混乱から、自分と兄(英之)との区別がつかなくなる精神的な病気にかかり
女と出会ったときには兄(英之)の名を語っていた。
それを知った女はショックを受けるが、それでもやっぱり彼(吉章)が好き、と
京都に全てを確認しに行く。
・・・・・・・まあいい。ここまでは許せる。
ちょっと納得いかないけどまあ良しとしよう。
京都でほんのひととき愛を確かめ合ったのち、男は行方がわからなくなる。
しばらく部屋で待つがあきらめて東京に帰ると、彼の妹から電話がかかってきた。
「兄(吉章)がなくなりました。」
・・・・・・・なんじゃそりゃ
「脳内出血です。」っていきなりじゃないかっ
男の妹の告白、
「私は兄(吉章)の子供をふたり堕胎(おろ)しています。」っていうのも腹立たしい限り。
思わず本を引きちぎりたくなった。
とんでもない妄想話に付き合わされたよ。