読了。戦後直後の「読売争議」「食糧メーデー」「国鉄・新聞社のゼネスト」については、知識を補充できた。本書の感想は以下のとおり。多面的なものの見方ができていない(民衆・朝鮮・中国の立場に立ったモノの見方は全くできていない)ので、説得力がない。批判・擁護いかんを問わず、ある主張をするにはその程度の目配せはして欲しい。終戦後日記Ⅳは買わないかもしれない。なお、本書を読むにつけ、ヨーロッパ訪問経験を持ち、天皇機関説でよいとした昭和天皇と著者とは、水と油だったように思えてならない。
疑問点。①大東亜共栄圏と自衛戦争論は両立するか。特に、日中戦争以降の戦闘行為が是認できるか。②第二次上海事変はソ連の謀略によるものか否か。③南京事件は、死者数いかんを問わず、中国民衆に日本に対する怨嗟の感情を植え付けたのかどうか。