人とロボットの秘密

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 96
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062147866

作品紹介・あらすじ

今まで誰も知らなかった「人」が見えてきた。ロボット工学は、未来の夢を追いかけるロマンティックな分野ではない。それは「人間をテクノロジーでつくり出す」という究極の目標のもと、身体や意識の工学モデルを構築するという、他分野とはまったく異なるアプローチで人間を理解するライブな学問なのだ。その知識は、我々の常識をゆさぶり、新しい人間観を突きつける。

感想・レビュー・書評

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  • サイエンス

  • Tue, 18 May 2010

    私達のフィールドでは,ロボットをつくることによって人を理解しようとする
    という態度は,かなり基本的な考え方だ.

    しかし,一般の人には,馴染みが少ないのかも知れない.

    この本では,筆者が複数の著名な日本のロボット・知能研究者に
    インタヴューし,章ごとに,ロボットを作ることによって人を理解する事の意味を話していく.

    SFやアニメの話しにも触れながら,会話調で進んでいくので読みやすい.

    専門書ではなく,記事の集合体という感じですので,
    ゴツっとした構成論的アプローチの話しが聞きたいというひとには
    物足りない内容かも知れない.

    及び,やっぱり,タイトルと表紙は内容とあまり一致していないように思う.

  • ロボット研究を通じて「人間とは何か」という問いと真っ向からぶつかる研究者たち6名の取り組み、苦闘、展望を取材した著。
    SFに限りなく近い、でもフィクションではない現実のロボットの可能性が見えてくる。
    かなりライトなつくりでサクッと読めるのが嬉しい。

    意識って、クオリアってなんだろう、と考えるだけでワクワクする。
    読んでいてやっぱり興味深いのは、「受動意識仮説」(意識は司令塔として考えがちだが、実はエピソード記憶(時間概念)に付随するものであるとする考え方)。かなりしっくりくる。

    人間を数値で定量化しようとする試みは、無謀に感じる一方で堪らなく魅力的でもある。
    自分の生きている間にどれだけ研究は進むのだろう…。

  • 5年前の本なので状況もかなり変わってしまったと思うが、とても参考になった。

  • ヒューマノイド最前線に迫るルポタージュ。アニメを一種のオマージュに見立て、ロボット先進国である日本人研究者たちの「いま」を伝える。

    『ジェミノイド』で有名な石黒浩教授はもちろん、前野隆司教授の『受動意識仮説』、吉田和夫教授の原理原則を基点とした『システム生命』、高西淳夫教授が唱える微分的発想の『情動の方程式』など、我が国にはこんなに素晴らしい研究者たちがいる思うだけでなんだか誇らしくなります。

    日本でロボット研究が進んでいる理由を、筆者はアニメや歴史に求めていますが、なかなか示唆に富む主張でした。近い将来、もしロボット社会が到来すれば、日本は世界の一歩も二歩も先を行っていると確信できるような一冊です。

  • 先日、ロボットが感情を習得するには何が必要なのか?という思考実験を行なっていました。そもそも感情とは何ぞや?というところからいろいろ調べ物をしていたのですが、"情動" という言葉の定義につまづいてGoogle+ で問い掛けをしました。

    やり取りはとんでもなく長くなり、後で Word に落としてみたら全部で6,000文字近くありました。要するに、感情というのは本能的な欲求から発生するだろうという発想からスタートしたのですが、ロボットの本能というのは生物とは異なるのではないか?という視点を頂いたんですね。そこから話が大盛り上がりしていく中で、こんな記事を教えてもらったんです。

    http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0905/15/news074.html

    この最初の記事がアップされたのは2009年5月15日で、なんと書籍の中見をまるごと連載形式で紹介するという形を採っていたようです。書籍の発売は2008年7月1日なので、まだ10ヶ月しか経っていないころです。

    全文がWebで読めるなら、わざわざ書籍を読まなくても……と考える人は多そうですが、Webをちょっとだけ読んで面白そうだったので、せっかくだから手元に形として残しておきたいなと思い書籍を買いました。岡田斗司夫さんが「なんでコンテンツにカネを払うのさ?」で、本の出版と同時に中身を全てWebにアップしたけど、売り上げは落ちなかったという話をしていましたが、堀田純司さんのこの本はどうだったんでしょうね?

    [続き]
    http://wildhawkfield.blogspot.com/2012/02/blog-post_6162.html

  •  人のようなロボットを作るためには、人の動き反応を知る必要がある。
     ロボットで人のデータモデルを再現し、フィードバックを行うことで人の生活のクオリティをあげることもできる。

     ロボットを作るために人を知りたい。
     人を知りたいからロボットを作る。

     ええと、うまく説明できないが、ロボットと人は蜜月状態であると思った。
     個人的には人の能力の一部のデータモデル化が面白い。
     今は作り手の思想に基づき、動き、反応するが、ロボットが本能を得ることがあったら……もうそれは、ロボットではなく、生命なのかも。
     面白かった。

  • この分野に興味を持ってもらう導入本にてきした内容の本。
    入り口に当たる内容が豊富。

  • ロボット工学は、究極の人間理解である。
    ロボット開発に関わる人々の熱い魂が伝わってきます。

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著者プロフィール

堀田純司[漫画原作]
編集者、マンガ原作者。大学在学時よりマンガ誌編集者として働きはじめ、後に自身の著作も刊行するようになる。主な著書に「萌え萌えジャパン」「僕とツンデレとハイデガー」、シナリオを担当した「まんがでわかる妻のトリセツ」「東大教授が教える 日本史の大事なことだけ36の漫画でわかる本」などがある。

「2023年 『ウケるゴロ合わせ《日本史編》』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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