- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062150408
作品紹介・あらすじ
こんなに痛いのは、殴られたからじゃない。息詰まるほどのディテール。一人称ならではの、会話の機微が読む人の心を穿つ。
感想・レビュー・書評
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2009.10.22. これは、引きずるように後味が悪い。けれど、なんだか癖になってしまうような。ヘンな女の人が主人公だったり、主人公だったりするんだけど、妙に共感を覚えてしまう。
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「殴られた話」7~8年間不倫している女性が、不倫相手に言い寄ってくる女性に殴られる話。言い寄ってくる女性の異常さを上手に表現し読者の興味を惹きつけている。最終的には、どちらもどっちというニアンスで終わるところもよい。「キャミ」振られた不倫相手を不倫相手の自宅の周辺で待ち伏せる女性の話。「亀と学問のブルース」不倫相手に突然別れを告げられて、強気に受け入れたものの気持ちの整理がつかず睡眠薬で朦朧としている主人公に、同姓同名の旧友から電話があり…。恋しくて仕方ないのに満たされない話が三篇。
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「殴られた話」(平田俊子)を読んだ。人に殴られるという(たぶん)非日常的状況における、どちらかというと『肉体的ではない痛み』が妙にリアルに迫ってくる。主要な登場人物が皆少しずつ歪んでいるが故にかなり胃にもたれるけど面白い作品でした。
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こんなに痛いのは、殴られたからじゃない! ピアニストの椎名と不倫関係にある「わたし」だが、彼には他にも女がいる・・。息が詰まるほどのディテール。一人称ならではの効果が、作品の完成度を高めている。
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表題作のほか、「キャミ」 「亀と学問のブルース」
ぐだぐだぐずぐずと重い話である。それなのになぜか厭な気分にさせられることはない。女は哀しい。それに比してこれらの物語に出てくる男は一様に不甲斐ない。ご都合主義のいいとこ取りでいつも逃げ腰である。どうして彼女たちはこんな男に、とだれもが思うのだろうが、男と女というのはことほどさように厄介なものなのである。という一冊である。 -
自分の恋愛経験が未熟かもしれないが、おさめられた三つの短篇はどれも男女の関係のおどろおどろしさを突きつけられた気がする。心のおもむくままに人を愛すると、救いようのない後悔の念に押しつぶされてしまいそうな気がする。恋の愚かしさを、心を踏みにじられたように残酷に綴られている。まっとうな恋愛をしたくなる一冊。
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はじめて読んだ平田俊子さんの本。
気持ちのいい話ではないけれど、悔しさが伝わってきすぎて、この人スゴイ!と、衝撃を受けた1冊。 -
群像2009年2月号書評より
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なんか全体的にネガティブ系。