- Amazon.co.jp ・本 (504ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062158763
作品紹介・あらすじ
10歳ではじめて酔っ払い、14歳で初のブラックアウト。15歳でクスリを始めた。クラック、スピード、LSD…ある日ブラックアウトから目を覚ますと、前歯がなく、鼻の骨が折れ、血まみれで飛行機の中にいた。なにがあった?なぜここにいる?どうやったら逃げられる?ぼくはいったいだれだ?アルコールとドラッグ漬けのイカれた連中ばかりが集まる矯正施設で、ぼくを治そうというイカれた人々。無理だ、やめてくれ、生きる価値などないんだから-。記憶のかけらを一つ一つ拾い集めながら、自分自身を取り戻していく23歳の青年の魂の軌跡。全世界に衝撃と感動を呼び起こした半自伝的ベストセラー。
感想・レビュー・書評
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身体も精神もボロボロになったアルコール、薬物依存症の主人公(著者)の更生施設での長い日々。誰も信じず、誰の言葉も受け付けず、怒りに支配され、周りに牙を向いて暴れまくる主人公。人に出会い、本に出会い、行きつ戻りつしながら自分を取り戻して行く様子は、感動的。アルコール依存症克服にはただ一つ有効と言われる12のステップを最後まで受け入れず、自分の強い気持ちだけで乗り越えようとする意固地な彼に、不器用さと強さを感じつつ、どうか一生を依存症に戻らず過ごして欲しいと願わずにはいられない。
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全米で300万部のヒットとか言われているノンフィクション作品。バロウズの再来とうたわれているが、前半はひどい壊れ切った主人公の生きざまは吐き気がするほど凄惨で陰鬱で孤独である。そういった意味である意味バロウズを彷彿とさせたけど、後半からは人間性を取り戻していくメロドラマが展開されていく。心の温かい人間との数々の出会いを通し人間性を再生させていく主人公の蘇生のドラマは感動的である。超オススメ作といえる。
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文体のせいかサクサクと読めた。気持ち悪いんだけど次の展開に目が離せなかった。
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気がつくと、血まみれ、ゲロまみれで飛行機の中にいることがわかる。
衝撃的なシーンで始まるこの話は読み進めずにいられない。
幼いころからのアルコールとドラッグ中毒の主人公が治療施設に入り、
ひどい禁断症状を味わいながら、
それまでの自分、恋人、家族との関係を振り返り、
新たに出会った、様々な仕事、犯罪歴、中毒を持つ仲間に支えられ
自分を取り戻し、生きていく自信を見出す。
ただ、中毒患者が依存症を克服する話なら
よくあるかもしれない。
彼が違うのは、自分の問題を、他にすりかえないことだ。
過去の耳の病気、遺伝子のせいにしたり、
救いを求め、神にすがることだって選択肢にはあったのに
あえて自分で自分に直面する。
このストイックな姿勢に周囲の人々も次第に惹かれ、彼を支援したのだろう。
最低なことばかりして犯罪者にまで成り下がっていても、
彼の本質は、大事なことは何か、信じるべきものは何か、
ということを求めることを忘れず、間違えることはなかった。
この本がフィクションか、ノンフィクションかということよりも
得るものがあることが大事だ。