- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062163538
感想・レビュー・書評
-
ちょっと想像していたのと違ったので、点が辛くなってしまったかな。もう少しひとりひとりのエピソードを掘り下げてほしかったなと思う。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【収録作品】アンの物語/ジゼルの物語/アリーシアの物語/シボーンの物語
-
うーん
ちょっと面白かったような
魔女学校に関係ある女の子たちの短編集
みんな普通の世界になじめてなかったり魔女狩りにあったりする
本屋の話が面白かったけど
後味びみょう
1こめの
annがunになる話が面白かったかな -
“あたしはだまっていました。なにかいいかえそうにも、先生のいっている意味がわかりません。
「そこで、おまえは、自分が受けた苦しみを、まわりの人間たちに、そっくりそのまま返してやりたくなった。そう、復讐さ。そのために、おまえは名前を変えることを思いついた。ただし、だれにもそれと気づかれないように。」
復讐?名前を変える?
「アン、おまえのほんとうの名前は『Ann』だろ?そのつづりをおまえは変えた。『A』を『U』にね。『不』と『非』と『反』の意味になる『Un』に。」
ようやく先生の意図をつかんだあたしの口から、ひとりでにことばが飛びだしました。
「ちがいます!あたし、そんなことしてません!」
「おまえの名を呼ぶ者は、みな『Un』のとりこになる。『Kind=親切』な者は『Unkind=不親切』に、『Happy=幸福』な者は『Unhappy=不幸』な者に、『Holy=神聖』なる者は『Unholy=不浄』なる者に!」
「あたしは生まれたときから『Un』です!Un,Duex,Troisの『Un』なんです!なんでもいちばんになるようにって、両親がつけてくれたんです!」
司教さん、あなたがその場にいてくれたら、よかったんですけどね。だって、教会<チャーチ>の洗礼命名式であたしの名が発表されたとき、司教さんはそこにいらしたんですから。
「ほう。そこまで、しらばっくれるのなら、みてみようじゃないか。」
急に声色を変えると、先生は教壇へともどっていきました。”[P.38_アンの物語]
「アンの物語」
「ジゼルの物語」
「アリーシアの物語」
「シボーンの物語」
読みながら、絶対裏があるぞって思ってしまう。
直接言われているかのような文体が楽しい。
“でも、わたしは、フェルナンドがほしかった。
いつでも、どこででも、フェルナンドといっしょにいたかった。
だから、魔法をかけました。
ギィギィときしむ扉が閉まれば、フェルナンドはこの世から消え、わたしの、この本のなかに閉じこめられます。
わたしは、フェルナンドを『所有』できるのです。
それにしても、期限よりもずいぶん早く、魔法を完成させられたものです。
七の月の最後の新月の日、ルーの祝祭<ルーナサー>まで、まだ八日。わたしは、世界の果ての魔女学校にはもどらず、ここで、この本を読んですごすことにしましょう。
本のなかのフェルナンドと、『所有』と『清貧』について、『欲望』について、そして、人はなぜ理由もなくだれかをのけ者にしようとするのかについて、ゆっくりと語りあうつもりです。
ああ、なんという幸運!八日間も、フェルナンドをひとりじめできるなんて!
わたしは魔女です。でも、心のなかには、いまも、ふつうの女の子が息づいています。
悪いこととは思いません。こうして、ちゃんと卒業試験もおえたのだし、そもそも、ふつうの女の子の気持ちをもっていたからこそ、魔女になってしまったのですから。”[P.218_アリーシアの物語]