簡素なる国

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062169608

作品紹介・あらすじ

産業革命から始まった近代は、「無限の経済成長」という旗を掲げ、二〇世紀前半に爆発的な開花を見せました。しかしながら、その原理の致命的な欠陥ゆえに、その後急激な衰退の道を辿り、今や死の淵に追いつめられた。私はこの状況を、人類を閉じ込めている「四面の壁」と表現し、四つのテーマを取り上げて説明しました。…それにしても、この危機からどう説出するか?私の答えは「貪欲と競争」から「少欲知足」への価値観の転換、「グローバリズム」から「ローカリズム」への社会システムの転換です(「始業チャイム」より)。

感想・レビュー・書評

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  • シンプル、ミニマム。70過ぎのお年寄りでもちゃんと分かってる人がいることに安心。頭かたい人多すぎるから。

  • ◎戦争を推進、黙認する人は、経済の拡大と成長だけが人間を幸福にすると狂信し、もっとも手っ取り早い戦争に突っ込んでしまう。(略)大きな経済を目指せば、大きな戦争が起きる。
    つまり、この世の最大の悪、戦争が経済のために起きていたとは。。。

    ◎明白なる運命:キリスト教徒による新大陸の獲得と開拓は、神に与えられた明白なる運命である。
    その神とは一体何者?

    ◎米国は頼りの経済政策だったマネーゲームに失敗した。瞬間的にバブルを起こせるのは戦争しか無いそうだ。
    米国が再起できる道があるとすれば小国主義に向かって歩き始めることだけだそうだ。

    ◎地球温暖化からの脱出は、価値観の転換、節約社会の構築、自然エネルギーの大胆な採用にかかっているという。正に現在のテーマだ。やはり、自然に対する畏怖。地球に生かされているという認識が必要だと思う。

    ◎政治をよくするために「小選挙区制」を廃止すれば新党を作るチャンスが与えられるそうだ。地域主権が叫ばれて久しいが、環境重視の地域政党が誕生し、国政に影響が与えられるようになれば世の中もよくなるだろう。

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著者プロフィール

1940年、新聞記者の長男として東京で生まれる。幼年期に東京空襲があり、父の出身地である福島県に疎開。そこで小中学校を過ごし、高校は東京に戻り、都立新宿高校を卒業、東京外国語大学に入学。在学中、演劇に興味を持ち、大学を中退、劇団俳優座に入所。

1972年放映の「木枯し紋次郎」が空前のブームになり、その後数多くのドラマで主演をつとめた。俳優業だけでは満足できず、脚本や演出でも活動したが、海外取材を基に書いた小説『チェンマイの首』がベストセラーとなり、その後の二作を含め東南アジア三部作は、国際小説ブームの火付け役を果たした。

この成果が注目を浴び、1984年には、日本最初の本格的なTV情報番組「地球発22時」のキャスターに起用され、TV界の流れに大きな変化をもたらした。数十ヶ国の海外取材での経験から、国際的視点からの政治的発言が多くなり、政界入りの要請が強くなる。

日本ペンクラブ理事、環境委員を歴任。著書に『簡素なる国』(講談社)、『ごみを喰う男』(徳間書店)、『暴風地帯』(角川書店)ほか。
ドラマ「CHANGE」(2008年)、「不毛地帯」、「仁」(2009年)、「鉄と骨」(2010年)、「まれ」(2015年)などに出演。

「2022年 『【朗読劇】線量計が鳴る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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