- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062175685
作品紹介・あらすじ
ソニンが天山の巫女として成長したのは美しい四季に恵まれた沙維の国。イェラが王女として成長したのはその北に草原と森林が広がる寒さ厳しい巨山の国。孤高の王女イェラが、春風のようなソニンと出会うまで、どのように生きてきたのかを紹介する、本編「天山の巫女ソニン」のサイドストーリー。
感想・レビュー・書評
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本編を読み終えてから読みました。
ただし、時系列的には、本編1巻の「黄金の燕」の前までの、巨山王女イェラの物語。
イェラは、妃(本妻)の唯一の子。
でありながら、病的なまでに男子(世継ぎ)を望む母親と、
無用なものはどんなものでも躊躇なく排除する父王から、見向きもされない幼少期をすごします。
側室3人には、それぞれ王子が一人ずついました。
異母兄弟とは、性差からかほとんど交流もなく過ごしていましたが、ひょんなことから末王子のカナンと知り合います。自立したイェラのことを、カナンは憧れの眼差しで見つめ、心を許しますが、如何せん人と交流することをほとんど放棄してきたイェラは、そういう視線に慣れておらず、カナンを傷つけてしまうのでした。
ソニンと出会ったころのイェラからは想像もできなかった彼女の半生は、王族という立場が招いた哀しみで彩られていました。10歳にも満たない子どもに負わせるには、あまりに過酷で、早く大人にならなければいけなかったイェラを可哀想だと思いつつ、そう思うのはきっと彼女に失礼なのだろうな、とも思います。
素晴らしいと思うファンタジー作品の共通点に、主人公以外の人物の人生もきちんと構築されていることが挙げられます。
「天山の巫女ソニン」も、まさにそうだと言える作品です。
本編5巻のサイズもちょうどよく、子どもたちに読んでもらいたい良書です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芯がしっかりしていて、凛としたイェラが大好きです。強い精神と、真っ直ぐな正義感を持つからこそ、他者の弱さにも容赦のない一面もありますが。イェラのようになりたいと思います。
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「ソニンが天山の巫女として成長したのは美しい四季に恵まれた沙維の国。イェラが王女として成長したのはその北に草原と森林が広がる寒さ厳しい巨山の国。孤高の王女イェラが、春風のようなソニンと出会うまで、どのように生きてきたのかを紹介する、本編「天山の巫女ソニン」のサイドストーリー。」
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イェラは血縁者から愛情を受けられなかったけど、乳母や将軍、フェソンら信頼できる大人と巡り会えたことは大きい。
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ソニンの外伝。北の山国、巨山の凛々しい王女、イェラの前日譚です。
イェラの過去はほんっとーにひどい……てゆーか、父親がひどい。その中でも、数少ないながらも愛するもの、好きなものを見つけることのできたイェラは最悪ではないにしろ、荷を負って生きていかざるを得なくなっていきます。ソニンという友を得て、彼女がまた大きく変わっていくんだけども。 -
イェラ王女のサイドストーリーってか、前日譚だった!
なるほど… -
2018/1/22
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2016.12.29
側室、腹違いの兄たち。
そしてその母。
世継ぎをめぐる画策、期待、陰謀。
そんなものにどっぷり浸かる周囲の人間。
それを忌み嫌うイェラ。
ギリギリで自分の居場所を確保する…
孤独な王女。 -
本編よりもイェラをただの登場人物としてではなく、人間として感じることが出来ました。
よりイェラを好きになれる。
ソニンに出会うまでにどんな人生を歩んできたかを知った今の気持ちで、また本編を読み返してみたくなりました。