- Amazon.co.jp ・本 (98ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062176798
作品紹介・あらすじ
10代で北極探検、20代でエチオピアの国立公園長、そして日本で自ら森をつくったニコルさんが伝える、未来に遺したい日本の自然。
感想・レビュー・書評
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この本に出会えてよかった。
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自然音痴という言葉を初めて聞いた。確かに、私も自然音痴だと思う。小さいころ合った森や田んぼが今はもう違うものになってしまった事を当たり前の事として受け止めてしまっていた自分がいて、唖然としました。そうだ、100年先に今いるここだって森にできるんだ。著者は日本にあった幽霊森と呼ばれた鬱蒼とした森を明るく生き物のいる開かれた森にし、森を守る活動を長年されている方です。動物のいるのが当たり前の森へ遊びにいける環境を考えるきっかけになりました。お勧め。
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アフォンの森。
そこは風が通る谷。 -
「15歳の寺子屋」と称する中学3年生向けのシリーズ作品の一冊。最近、「森や森林」に興味を覚えていたところなので、ニコルさんへの親近感も手伝って手が伸びた。
このシリーズ、講談社編集部のお眼鏡にかなった「これは」という光るところを持った人に、ご自分の少年少女時代を振り返って、この道を歩こうと決めた頃のことを先輩として語ってもらおうという企画内容である。すでに17冊が刊行されていて、その顔ぶれを見ているだけでも楽しくなる。
自分の中学生時代を振り返ってみても、なかなかこうした人生の先輩からお話を聞く機会というものは少なかった気がする。将来に対する漠然とした不安や期待だけがあった記憶があるので、こんなシリーズを読めるいまどきの中学生がちょっとうらやましい。
さて、本書はニコルさんの生い立ちに絡めて、現在長野県北部の黒姫高原でニコルさんたちが一生懸命手がけている「アフォンの森」の再生の記録が語られている。
ウエールズに生まれ、北極圏やカナダ、そしてエチオピアで自然活動に参画した後、やってきた日本でであった美しい自然林。それが破壊されていく様子に心を痛め、行政や業者による無秩序な開発にストップをかけたのは、世界中を見て回って、四季の変化もあいまって日本の森ほど多様性に恵まれた美しい場所はないというニコルさんの確信だったことが詳細に伝わってくる。
自分たちが再生した森の緑に包まれ、鳥の声に耳を澄ます。いいなあと思う。