ぼくたちの骨

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062178617

作品紹介・あらすじ

陸上部の女子中学生と、不格好な剥製の出会い-。足を痛めた千里は、休園間近の動物園で、肥満体の剥製と遭遇する。走りたい。あのチーターだって走りたいはず。剥製の修復を通して見つめる、動物園と博物館、そして生と死。椋鳩十児童文学賞、日本児童文学者協会新人賞受賞作家の最新作。

感想・レビュー・書評

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  • 『ぼくたちの骨』という題名だから
    いろいろな骨や骨に関する美学などが
    出てくるのかと思ったけど
    そうでもなかった。
    扁平足が原因で休部していることや
    新聞部の話はそれなりにおもしろかったけど
    でも、なんか物足りたりなかったなぁ。

  • タイトルと題材に惹かれて読んだ。骨、骨格、動物が好きだから。

    読了後の物足りなさが否めない。
    結局なにがメインで、なにが言いたかったんだろう…という感じ。
    剥製に関して書いた本は少ないからその点は凄く良いなと思うけれど、青春ドラマ的な要素が勝っているから社会科見学のよう…。
    主人公が剥製師なら面白いのに…と思わずにはいられなかった。
    青春ものとしても、まっすぐに思春期の懊悩を描いた方が惹かれるかも…。
    青春と剥製という組み合わせや興味を持つきっかけは面白いけど、どっちも中途半端ならそれぞれ別々に読みたかった…。

  • 中学3年生の千里は、故障のため陸上部を休みがち。友人の春人に誘われて始めた新聞部の活動で、不格好なチーターの剥製と出会う。魅力的な人物描写(学芸員さんも出てくる)や青春の光のようなものが眩しい。YAでもいいかも。

  • 読むと上野動物園や国立科学博物館に行きたくなる。
    剥製の修復にかかわる話で少しマニアックだ。

  • 中3の千里は、陸上部で100m走をやっているが、扁平足が災いして足裏を痛め練習を休んでいる。そんな時、幼ななじみに遥に無理やり誘われ、新聞部に体験入部する。遥の取材に付き合って閉園間近の動物園を取材に行き、倉庫にしまわれた動物の剥製の中に不格好なチータを発見する。
    あのチータを、もとの姿に近い剥製に変えてあげられないか。剥製の製作過程と自分の足の治療、そして自分と向き合う事で生きるという事にも向き合っていく。

  • 足の痛みで陸上の練習を休んでいるときに顧問の先生の接し方が、自分の考えを押し付けすぎて嫌だった。剥製に興味を持ったことがなかったので、題材として面白かった。

  • 剥製ってつくるの失敗するとそんな無残なことになるんだーっと思う。

    生きているものと死んでいるもの。
    死んでいるものを触りたくない、と思うのは確かになんでだろう?
    なんか全く違う存在になってる感じがするのかなあ?

    以前なぜか駐車場に鳥が死んでたんで、仕方なく移動させたことがあるんだが、
    あの時のずっしりとした重みが今でも忘れられない。

  • 怪我のため陸上部の練習に参加したくてもできない千里。幼馴染に新聞部に勧誘されたことから、取材で動物の剥製と出会い、その出会いを通じて自分の怪我とも向き合っていけるようになっていく過程が胸に響いた。
    骨と筋肉の関係や動物園と博物館のつながりなど興味惹かれ、面白かった。これから剥製や動物の骨を見るとき、見方が変わりそう。
    メタボチーターがどうなるのかぜひ読んでみたいけど、続編出るのかな?出てほしい。

  • 走るのが好きな安中千里。
    けれど足底筋膜炎(扁平足)のため、足の痛みが取れず、走ることはドクターストップがかかっている。
    元気がない千里に、幼馴染の小木春人が、新聞部に入らないかと勧誘してきた。
    手はじめに、もうすぐ休館する地元の小さな動物園・あがたの森動物園を取材しに行かないか、と。
    新聞部に興味はなかったが、思い出の場所でもあるあがたの森動物園に行った千里たち。
    森の中にある小さな小屋にある、動物の剥製を見た。
    千里が心惹かれたのはチーター。本来はもっとスマートなはずなのに、なぜか太っていて、痛みが激しいそれは、地球で一番速く走る動物とは思えない姿をしていた。
    走ることが好きなのに、走れない。
    千里はそのチーターのことを、もっと知りたいと思い・・・。


    剥製って、あまり意識したことのない存在だった。けれど、その生きていたものの証がそこにある。
    まだ物語が続きそうな、それは千里がこの先どうするのかとも思わせるラスト。

  • 偏平足が原因で足を痛め陸上から遠ざかった主人公が、動物園で偶然見つけたチーターの剥製に魅かれ、陸上を休んでいる間に新聞部として活動するお話。剥製というのはこのように作られているのだなぁということが初めて分かった。さらっと読めるけれど、主題が曖昧なのは否めないかな。思春期の曖昧さをあえてこういう風に書いているのかもしれないけど。2013/048

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著者プロフィール

長野県生まれ。2006年講談社児童文学新人賞佳作を受賞。デビュー作『ボクシング・デイ』(講談社)で、第18回椋鳩十児童文学賞、『満月のさじかげん』(講談社)で、日本児童文学者協会新人賞を受賞。その他の作品に、『ぼくたちの骨』『声をきかせて』(以上 講談社)、『ヴンダーカンマ― ここは魅惑の博物館』『星の町騒動記』(以上 理論社)、『星くずクライミング』(くもん出版)などがある。

「2022年 『手で見るぼくの世界は』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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