世の中への扉 柴犬マイちゃんへの手紙 無謀運転でふたりの男の子を失った家族と愛犬の物語

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062186377

作品紹介・あらすじ

2010年12月26日、交差点の歩道の内側で信号を待っていた祖父母と2人の孫、そして1匹の柴犬に、大音量の音楽に合わせて車線変更を繰り返す蛇行運転をしながらクラクションを鳴らす乗用車が突っ込んできた――。
理不尽に奪われた幼い少年二人の命。そして、半年にわたる入院を余儀なくされた祖父母。もし、自分たちのところに孫たちが帰省していなかったら……。自死まで考えた祖父母を癒やし続けたのは、彼らが保健所から引き取って育てた柴犬のマイちゃんだった。
運転していた若者の父親が祖父母の前に現れたが、謝罪らしい謝罪はなかった。被害者参加制度を使って刑事裁判に出廷した両親。過失割合が100%のでたらめな運転で命を奪いながら、最も重い危険運転致死傷罪には問われず、求刑懲役15年のところ、懲役7年の実刑となった。
9歳と6歳の少年に与えられた、あまりにも不条理で理不尽な死に、残された遺族は戦い、苦しみ、自分自身を責める。それでも彼らの思い出とともに生きていかなければならない。三回忌を前に、ようやく封を解くことができた彼らの遺品の中から出てきたのは、書きかけのマイちゃんへの手紙だった。

感想・レビュー・書評

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  • 家族を交通事故で亡くした経験がある私には少しリアルで苦しく悲しかった。
    法律は生きている人を守るためのものだと本当に思う。
    こんな亡くならなくてもいい人が亡くなってしまう事故は減ってほしい。

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著者プロフィール

1963年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。主な著書に、『自動車保険の落とし穴』(朝日新書)、『家族のもとへ、あなたを帰す 東日本大震災犠牲者約1万9000名、歯科医師たちの身元究明』(WAVE出版)、『開成をつくった男、佐野鼎』(講談社)などがある。また、児童向けノンフィクションに、『柴犬マイちゃんへの手紙』、『泥だらけのカルテ』(ともに講談社)がある。なお、『示談交渉人裏ファイル』(共著、角川文庫)はTBS系でドラマシリーズ化、『巻子の言霊 愛と命を紡いだ、ある夫婦の物語』(講談社)はNHKでドラマ化された。ウェブ記事「交通事故で息子が寝たきりに――介護を続ける親の苦悩と、『親なき後』への不安」で「PEPジャーナリズム大賞」2022特別賞受賞。
公式HP https://www.mika-y.com/

「2022年 『コレラを防いだ男 関寛斎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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