- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062190299
作品紹介・あらすじ
本企画は、「乗り鉄」界の第一人者である本著者が震災以降一貫して取り組んできた被災鉄道の復興プロジェクトの報告書であり、集大成でもあるルポルタージュ。
扱うのは常磐線、仙石線、気仙沼線、大船渡線、釜石線、山田線、三陸鉄道。みな東北地方の太平洋沿岸を走る鉄道だった。
あのとき走行中の列車は31本。乗客と乗務員は推定で約1800人。被害は駅の流失24、線路の破壊70ヵ所66キロ、橋梁の崩落119ヵ所。にもかかわらず、乗客・乗務員の死傷者はゼロだった。
なぜ、この「奇跡」が達成できたのか――これが本書の探求のテーマとなる。乗務員のマニュアルには地震時の対策はあっても、津波の時にどうするかの記載はない。彼ら乗務員・駅員が個々に冷静・沈着な判断を下し、乗客たちの協力的な行動や助言のおかげで、生還が果たされたのである。著者は現地へ10回以上通い、体験者や現地報道機関から収集した話を集大成して、「奇跡」の全体像を描く。
さらに、復興後の各線に実際に乗車した著者は、そこで各路線の事情を見聞し、未曾有の災禍の後に地方交通線はいかにして生き残るのか、その処方箋も描き出そうと試みた。
感想・レビュー・書評
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主に震災当日の出来事について読んだ。
やはり鉄道旅行中に被災した人もいたんだ。
ただ毛越寺の読み仮名がもうえつじと間違っているのが…。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2011年3月11日に起こった、東日本大震災。地震の揺れと津波などで、未曾有の災害となった。
震災が起こったとき、東北地方沿岸4県をを走る列車は31本あった。しかし乗客、乗務員ともに冷静に判断し、死傷者は一人もでなかったという。
その時、列車に乗り合わせた人々はどう判断したのか、一歩間違えば大惨事になっていたであろうときに、死傷者もなく避難できたのは、どうしてなのか。
列車かに乗っていた方へのインタビューをもとに震災のとき何があったのかをかかれたルポです。
常磐線、仙石線と石巻線、気仙沼線大船渡線、釜石線、山田線、三陸鉄道と、現地に行かれて丁寧に取材をされて書かれています。
それぞれ地域の被災者の声は、非常に重く感じました。地元の乗客のアドバイスを受けて避難した例もあり、乗務員と乗客が協力して乗り越えたところも多かったように感じました。 -
震災当時の電車の乗客や乗務員の体験、証言がリアルに記載されています。電車に乗ったまま津波に流された方もいたのでは?と思っていましたが、鉄道関係者の普段からの訓練や現場での判断、そして住民である乗客の協力などで多くの命が救われた事実が分かります。また、震災直後やその後の電車、駅舎の写真も多く掲載され、復興の様子が分かります。
鉄道と名を打っていますが、そこを基軸に置きつつも現地に足を運び被災した方々へ丁寧にインタビューを重ねた内容となっていますので、鉄道に興味のない方へもお薦めできる本と言えます。