ルパンの娘

著者 :
  • 講談社
3.62
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本棚登録 : 677
感想 : 148
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062196833

作品紹介・あらすじ

三雲華(みくも・はな)は恋人の桜庭和馬(さくらば・かずま)の家に挨拶に行くこととなった。緊張する華にたいして、和馬は優しく話しかける。ついに桜庭家に到着した華は、玄関に飾られていた桜庭家の家族写真を見て唖然とした。全員が警察の制服らしき服装に身を包み、それぞれ敬礼のポーズをしていたからだ。
最悪だった。華が育った三雲家は、代々泥棒を生業としており、一家全員が盗人だったからだ。
果たして華と和馬の恋はうまくいくのか――。

その後のある日、荒川の河川敷で男の焼死体が見つかり、和馬は現場に急行した。
その被害者は華の祖父、三雲巌(いわお)だった。
超一流の泥棒であった祖父を殺した犯人とは――。

読み進めるほどに出てくる衝撃の展開と新たな謎。1ページも目が離せない、気鋭乱歩賞作家の勝負作!

感想・レビュー・書評

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  • ラストはどうなるのかと思いながら、ワクワクしながら読み進めた。ドラマ化され映画にもなっていたことは、読み始めてから知った。

  •  この小説の主人公は、ルパンの娘・三雲華と交際相手の警視庁捜査一課の刑事・桜庭和馬が殺人事件の真相を追うことになる(なぜ華が事件に関与するのか、被害者は華の祖父だからです)これは仕組まれた殺人か!
     一般的には家庭の立場上、二人は決して結ばれることはない。
     華の家族は「Lの一族」と呼ばれる祖父巌を筆頭に伝説の泥棒一家(Lはアルセーヌ・ルパンの頭文字)そして、和馬の全ての家族は警察関係者で、そしてペットのシェパードまでも元警察犬なのです。
     絶対にあり得ない設定で物語は始まり、軽いタッチとコミカルな文体の恋愛ミステリーは、読み易いが作品のレベルが落ちるのではないかと危惧していた。読み進めると、そうとも言えない状況に、僕が推理という名の妄想に嵌った。
     作品の中で華の心境を以下のように書いている。「和君とは終わったんだな。不意にそういう実感が湧いてきて、気づくと涙が頬を伝っていた」が、これは逆説でしょ、と。もし結果が予想通り単純なハッピーエンドなら凡作だと思っていた。
     華と和馬は別々の疑問をもって、独自に事件の真相を求めて愉快、爽快、痛快に物語は進行します。
     アニメのルパン三世ではないが『華麗なる大泥棒「あなたのハートを盗みに行く」』風の展開が欲しいと思っていたら、その通りドラマチックにアッと驚く結末で幕は閉じます。
     流石、ルパンの娘だけに、徐々に(モンキー)パンチが効いてきた。
     実におもしろい。

  • ★3.5

    代々泥棒を生業としている三雲家の娘・華。
    結婚を考えていた彼は、警察一家の長男だったー。


    華は働いている図書館で知り合った公務員の彼・桜庭和馬と交際1年。
    突然、和馬の家に挨拶に行くことになった。
    桜庭家に到着した華は、玄関に飾られていた家族写真を見て唖然とした。
    全員が警察の制服らしき服装に身を包み、それぞれ敬礼のポーズをして写っているのだった。
    最悪だった…。
    華が育った三雲家は代々泥棒を生業としており、それは現在でも脈々と受け継がれている。
    華はただ一人真っ当に図書館で働いているが、他の一家全員が盗人だったからだ。
    和馬自身も警視庁捜査一課の刑事。
    彼も素性を華に明かせないまま、勿論華の家族の素性も知らないまま、
    結婚するつもりで自分の家族に紹介したのだ。

    丁度その頃、荒川の河川敷で顔を潰された老人の遺体が発見される。
    捜査に当たる和馬。老人の正体を追う和馬。
    その被害者は、伝説のスリと呼ばれてる華の祖父・巌だった。

    泥棒一家の華と警察一家の和馬。
    二人の関係がどんな展開になるのかと、ドキドキしながら読んでいった。
    二人の交際と並行しながら、華の祖父が殺害される事件の捜査が進んでゆくのですが、
    途中、何だかハッキリしない二人にイライラさせられたり、
    個性的なキャラ揃いの華の家族の姿が微笑ましいのですが、
    何だか馴染めなかったのかなあ…長く感じた。
    もどかしくって…波に乗れないなぁって残念に思っていた(´⌒`。)
    でも、和馬の祖父・和一の行動や言葉が気になる…。
    次第に明らかになってゆく華の祖父・巌と和馬の祖父・和一の関係。
    そして、和馬の祖母・伸枝との関係。

    終盤、一気に明かされる展開にワクワクさせられた。面白かった。
    両家のお祖父ちゃん達が可愛くもあり、カッコよくもあり良かった。
    明るいハッピーエンドも良かった♪

  • 伝説の泥棒一家の娘・華と、本人と家族全員が警察官である・和馬の恋物語。
    果たして、このロミオとジュリエットに結ばれる日は来るのだろうか…。

    楽しく読めました。
    泥棒一家VS警察一家、
    もうね、どちらの家族も強者揃いで。
    華と和馬の二人がかすんでしまいました。
    なんといっても、おじいちゃんたちが最高!
    おじいちゃんたちが元気でいてくれると、
    それだけできっと大丈夫って気がします。

    ふだんから結束の固い和馬の警察一家はもちろんだけど、
    華のトンデモ泥棒一家もいい。
    いつもはてんでばらばらな方を向いてやりたい放題でも、
    華の人生にかかわるピンチ時の心強さったら!
    引きこもりのお兄ちゃんが頼もしかったです。
    大泥棒、グッジョブですね。

    あ、でもペットショップから盗んできた猫ちゃんに
    キャビアを食べさせたりして…、
    動物好きからするとそこはちょっと…。
    命あるものを盗んではダメです!。
    いや、他のものならいいというわけではないですが…。

    とにかくめでたしめでたしで良かったです。
    今後はぜひ、老体にむち打ち活躍してくれた元警察犬のドンちゃんにも、
    家族会議の投票権を与えてあげてほしいですね!
    (華におやつであっさり篭絡されたとはいえ。ふふっ)

    • あいさん
      こんにちは(^-^)/

      この本読んでいる人多いよね〜♪
      こんなに楽しそうなお話なんだ(*≧艸≦)
      私も好きそうな話だよ。
      紹介...
      こんにちは(^-^)/

      この本読んでいる人多いよね〜♪
      こんなに楽しそうなお話なんだ(*≧艸≦)
      私も好きそうな話だよ。
      紹介ありがとう!
      でも、まだまだ読めそうにないなぁ。
      昨日またナツイチと新潮100冊の中から本を3冊買ったので(笑)

      いつか読むので待っててね〜♪
      2016/07/08
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~^^

      うん!楽しいお話だったよ~♪
      大泥棒さんを応援してしまうなんてね。
      きっとけいちゃんも気に入ってくれ...
      けいちゃん、こんばんは~^^

      うん!楽しいお話だったよ~♪
      大泥棒さんを応援してしまうなんてね。
      きっとけいちゃんも気に入ってくれると思うよ。
      なんてったって殺し屋さんも大好物な私たちだからね(笑)。

      ナツイチと新潮100冊~、
      このところバタバタしてて、本屋さんに行けてない。
      けいちゃんの3冊、どれかな~?って探しちゃいそう。(*^-^*)
      2016/07/08
  • 泥棒一家の娘と警察一家の息子の恋物語。
    その設定からして先行きが超気になる。
    え、結婚できるの?
    付き合って時間が経って自宅に招待されてから
    「わが家は警察一家です」
    なんて言われたら、えぇ!!! ですな。
    それで相手のことを忘れられるか? と聞かれたら
    NO。
    それぞれの家族の対応が良く、最後はニンマリできて良かったわ。

  • 泥棒一家の娘と警察一家の息子がどうにかして結ばれるだけの話かと思ったら、なかなか複雑な謎解きもありました。
    おもしろかったんですが、泥棒を嫌っている華が大事でもないところで盗みをするのがちょっと気になりました。
    最後泥棒一家と警察一家はハッピーエンドですが、結婚式が台無しになってその後の描写も特になく、エミリさんは気の毒だと思いました。

  • 初読み作家さん。凄く面白くていっきに読んでしまいました。他の作品も読んでみようと思います。

  • 面白かった!(*^O^*)横関大さんの作品はまだ二作目だけど、すっかりファンになったよ♪泥棒一家の娘さんの華ちゃんと警察一家の長男和馬との恋のお話(^^;)いろいろな事が起こってどうなる?とハラハラしたけれど、終わりはスッキリ(*^^*)お祖父ちゃん凄い!最高の家族というか、最強の家族だね(^^)d

  • いやぁ おもしろかったぁ

    推理もおもしろかったし 後味がいい!

    三雲家の家族サイコーー(笑
    桜庭家の香サイコー
    両家のおじいちゃんサイコー

  • 泥棒一家の娘と警察一家の息子が恋人同士。その2人が結婚に至るまでの物語。その設定だけでもどうなることかと思うところであるが、伝説的なスリ師である娘の祖父の死が本編の大きな軸となって物語が進みます。
    物語自体はなかなか面白く、結末も良かった。でも、なぜか3点というイメージ。

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著者プロフィール

1975年静岡県生まれ。武蔵大学人文学部卒。2010年『再会』で第56回江戸川乱歩賞を受賞。著書に『ルパンの娘』『ピエロがいる街』『沈黙のエール』『チェインギャングは忘れない』『スマイルメイカー』『グッバイ・ヒーロー』『炎上チャンピオン』『仮面の君に告ぐ』『いのちの人形』などがある。

「2023年 『ゴースト・ポリス・ストーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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