中国GDPの大嘘

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062200707

作品紹介・あらすじ

中国の成長率は、やはり、とんでもないデタラメだった!! それどころか、日本はいまでもGDP世界2位の経済大国、中国には「失われた100年」が待っている!?  
 ソ連崩壊まで、そのGDPについて、世界は騙され続けた。公表していたGDPも、実際はその半分程度だった。かつ、国民所得の伸びに至っては10倍以上に偽装されていたことが判明した。
 共産主義経済の「偽造統計」のカラクリを、財務省で日本国のバランスシートを作った著者が、徹底的に追及!!

感想・レビュー・書評

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  • 『#中国GDPの大嘘』

    ほぼ日書評 Day462

    5年前(2016年)の本。「(李)克強指数」とも呼ばれた電力使用量、鉄道輸送量等を除けば、全く当てにならない架空の統計数値で高成長を自演しているに過ぎない中国は早晩倒壊するはず、という一種の予言の書。

    2021年にいたり、引き続きあてにはならない統計数値によるものではあるものの、経済成長は続いており、不測の武漢ウィルスも一旦は封じ込めに成功したとされる。

    本書で語られるトピック絡みでは、TPPから米国が抜け、AIIB債権はAAA格付けを取る一方で、インドネシアの鉄道では苦戦が伝えられているが、中国経済自体が崩壊したということも聞かない。なかなかにしぶとい国である。

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  • 県立図書館で借りて読んだ。
    正しい内容だと思う。

  • 経済学者、数量アナリストの視点に立ちながら、
    なるべく平易な文章で分かり易く伝えようとされていて、
    1日で一気に読了できる良作でした。

    遠藤誉さんの作品と比較すると、
    インサイト考察を少なくて薄味な内容とも言える。


    統計の偽造 改竄、
    信用取引解禁による破綻者続出、
    不動産バブル崩壊、
    地方自治体への クズ債権をベースとする融資
    軍事費を超える国内治安維持費、

    クリティカルな負の要素だよなっての連続で、
    ヤバい!

    この難局をソフトランディングできれば御の字、
    ハードランディングとなると戦争へ

    国内の不条理を国外へ転化=戦争、

    という示唆には、膝を打った。

  • 中国のぎぞう経済がクラッシュする日はいつか?

    人民日報で信じられる記事は何か?

    記者たちは、真実をありのままに伝えると言うメディアの本来の役割を果たしてはならんのと教えられている店

    新華社の元幹部、何十年も書いてきた記事は全部インチキだった。空虚で真実は何一つなかった。

    将来に希望を失った庶民が、どこまで共産党の一党独裁を許すのか?

  • タイトルにあるように、中国の経済統計のウソばかりではなく、様々な中国における問題をまとめた一冊です。

  • 連続で中国経済物を読むからこそ、

    理解できることも多いです。。

    あとは同じような種類の本をまとめ読みすると、

    最初の本である程度の知識が学べているので、

    次の本をよむ時間をかなり短縮できるという

    利点もありますね!!

  • 今やアメリカを凌ぐ勢いの中国の実際のGDPは、三分の一とか。にわかに信じられないが、様々な統計と照らせ合わせるとそうかもしれない。

  • 中国が低成長に陥り、官製発表のGDPが作られた数字であろうことは、広く知られたこと。
    その分析がなされているのかと思ったら、印象論と捏造国家という言葉で片付けられてしまった。大躍進政策や高速鉄道事故の隠ぺいなども傍証として挙げられ、議論が雑駁。
    他にもメディアで報道されていることも多く新味はなかった。中国経済に悲観的な見方をこれだけ続けて読むと暗たんとするのは確かなのだけれど。

  • 高橋洋一先生著

  • 日本のGDPが中国に抜かれてからかなり経過しましたが、一部には中国のGDPは多目に発表されているという話もあります。この是非はともかく、私が明らかに記憶しているのは、あの崩壊したソ連も長らく、アメリカに次いでGDP(当時はGNP)が世界二位でした。

    それがロシア連邦になった後には何位になったのでしょうか。あのころのデータはインターネットを見る限りありません。この本の帯に書かれていますが、旧ソ連のGDPは発表値の半分程度だったそうです。

    中国の本当のGDPがどの程度か分かりませんが、発電量が伸びていないなか、経済成長がいまだに6%を超えているのは、本当なら驚きです。

    ただし、中国を実際に足を運んでいる知り合いの話では、中国の一部のエリアでは発展が続いている様ですから、今後も中国からは目を離せないと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ソ連が崩壊したのは、その経済停滞が大きな要因だが、ソ連を間違った方向に導いたのが偽造統計である。公表していたGDPも実際はその半分以下程度。1928-85年まで国民所得の伸びはソ連の公式統計では90倍だが、実際は6.5倍。平均成長率は、8.3%としていたが、実際は3.3%(p2、28)

    ・ソ連も市場経済への移行とともに、1990年にIMFや世界銀行などの国際機関による調査団を受けいれ、これをきっかけに統計を正常化させた歴史がある(p3)
    ・ギネスブックで世界最高の王家は日本の天皇家であると認定されている(p21)

    ・温家宝首相は、ダボス会議の会食にて、信用してチェックしている統計数値は3つ、電力消費量・鉄道貨物輸送量・銀行融資額、とオフレコ発言した、これはアメリカ国務省内の部外秘であったが、2010年ウィキリークスにより暴露(p40)

    ・中国の公式失業率(4%程度)は、調査対象が、失業率が低い都市部の戸籍をもち、職業安定所に登録した労働者を対象(p42)

    ・世界の先進国のデータから推測すると、中国の輸入伸び率からGDPの伸び率を算出すると、2015年は6.9%成長どころか、マイナス3%である(p44)

    ・2008年の4兆人民元(68兆円)はその後の続き、2009年から4年間で、110兆円(1900兆円)の固定資産投資が行われた(p47)

    ・2011年に浙江省温州で発生した事故は、40人死亡、高架から落ちた車両をすぐ土中に埋めるなど批判を受けた、あれは特別快速列車で高速鉄道ではないので、新幹線を海外に売り込むときには無事故と主張する(p60)

    ・中国株式市場で儲けているのは10人に一人、その一人が官僚であり共産党幹部という点が、自由経済市場と異なる(p71)

    ・2011年から2013年の3年間で中国が使用したセメントの量が、アメリカの20世紀の全ての使用量を上回っていた(p84)

    ・中国のGDP成長率に占める不動産投資の割合が高いのも問題、土地の販売額のうちかなりの部分が役人の懐に入る。そのために地方の役人は建設ブームを過熱させてきた(p86)

    ・中国は2008年リーマンショック後に4兆元(68兆円)の景気浮揚策を行ったが、中央政府分は0.2兆元のみ、残りは地方政府や国有企業に資金調達させた、そこで登場したのがシャドーバンキングである、2010年末には政府計画の4兆元をはるかに超過して、10.7兆元となり、不動産投資や公共事業へ流れていった。最近の公式発表では、30兆元(510兆円)を超えたことが明らかになった(p91、92)

    ・GDP一人当たり1万ドルを突破するには、これまでの先進国の例を見ると、社会経済の構造改革(資本・投資の自由化)が条件である(p108)

    ・いまのTPP(12カ国で2016年2月4日に署名式)に中国が参加できない理由として、TPPは貿易だけでなく投資の自由化も含まれる。ISDS条項はこれまで何度(20件以上)も日本の投資協定に入っていた、日本が相手から行使されたことは一度もない(p117)

    ・2015年9月の、中国主催の抗日戦争勝利70執念記念軍事パレードは、かつて日本と戦った、アメリカ・イギリスなどの西欧諸国は出席を見送った(p123)

    ・インドネシアの新幹線受注を中国が取れた決め手は、事業への全額融資、政府の債務保証なし、という破格条件を提示したから、しかしインドネシアの国営4銀行が中国の銀行から借り入れをすることになっている(p138)

    ・中国から提出された提案書には、日本の提案書を下書きにした跡があったらしい、日本側が数年かけて行ったボーリング調査、地質調査のデータがあった(p140)

    ・中国の刑務所で死刑囚を収容できる上限は、400万人で刑務所は、満員御礼の状況が続いている、監獄生活か海外労働のどちらかを囚人に選択させてタダ働きさせる(p146)

    ・一人っ子政策を管轄する国家衛生計画生産委員会はなかなか、是正に応じなかった。50万人もの職員を抱え、かつ莫大な罰金収入が利権の温床となっていた。2003年には2億人いた農村の余剰人口はゼロで人手不足になっている。2014年から、夫婦どちらかが一人っ子なら、第二子を認めるという緩和策を打ち出した。毎年200万人の新生児を予測したが、実際には50万人以下(p155)

    ・2016年2月1日、それまで7つの軍区があったが、これを5つの戦区に再編、東部(南京)、南部(広州)、北部(瀋陽)、西部(蘭州)、中部(北京)(p185)

    ・2016年に戸籍制度を緩和した、都市定住者のうちには戸籍を取得できるケースも出てきたが、地方出身者は出稼ぎすらできないことも推定される(p192)

    ・国内の治安維持費は、軍事費を上回っている、中国には警察とは別に武装警察がある(p199)

    2016年5月5日作成

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。数量政策学者。嘉悦大学大学院ビジネス創造研究科教授、株式会社政策工房代表取締役会長。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、内閣参事官(首相官邸)などを歴任。小泉内閣・第1次安倍内閣ではブレーンとして活躍。2008年に退官。菅義偉内閣では内閣官房参与を務めた。『さらば財務省!』(講談社)で第17回山本七平賞を受賞。著書はほかに、『正しい「未来予測」のための武器になる数学アタマのつくり方』(マガジンハウス)、『高橋洋一式「デジタル仕事術」』(かや書房)、『国民のための経済と財政の基礎知識』(扶桑社)、『理系思考入門』(PHP研究所)、『国民はこうして騙される』『プーチンショック後の世界と日本』(徳間書店)など多数。YouTube「高橋洋一チャンネル」でも発信中。

「2023年 『日本の常識は、世界の非常識! これで景気回復、安全保障は取り戻せるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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