Stand Alone (講談社X文庫 こB- 21 ホワイトハート)
- 講談社 (2007年4月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062559478
作品紹介・あらすじ
クリス・J・ウォーカーの油彩画の個展を訪ねてきた男は、「天使」というタイトルの絵の前で呟いた。「これは、俺だ」と。その男ラフィと、クリスは幼馴染みだった。ニューヨークの向かいのアパートメントに住み、兄弟同然に育ったのだ。十年ぶりの再会は、しかし苦いものだった。「あのこと」が二人を引き裂いたのだから-。
感想・レビュー・書評
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著者初めてのBL作品と後書きで説明されていたがとても良い作品で、私は初めて読む作家さんでしたが、他の「非BL」な作品も読んでみたいなと思った。BLというより翻訳もののゲイノベルのようと担当者に評されたというのもなんかわかる気がする。淡々と綴られる心情なんかがそう思わせるのかな。私には心地よい文章だった。ありがちなお決まりの展開(私はこの部分がモノによっては話全体が安っぽく感じられて興醒めする時がある…)もわずかだがあるにはあるが、描写にへんないやらしさもなく自然で映画のワンシーンのように感じられた。
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著者初のBLと銘打っているけど、これBLじゃないです。雰囲気や文体は編集さんの言うように翻訳モノゲイ小説みたいですが、本場のそれに不可欠な主人公のセクシャリティの自覚や葛藤がワザとカットされているような感じ。
確かにラブはありますがそれは恋愛ではなく明らかに家族愛です。ゲイ小説風味のファミリーもの、疑似兄弟再生ものが読みたい人向け。
著者のBLが読みたいなら、角川ビーンス文庫の「ダルリアッド」シリーズをどうぞ。
ビーンス文庫はBLじゃないと言い訳できるBL作品を集めたレーベルだけど、この作品よりよっぽどBLしてます。 -
2009年11月27日
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買ってまだ読んでいないOTL
実はすごく楽しみな作品。じっくり読みたいです。 -
普段、傭兵のおっさん達が楽しく戦う話や騎士が探偵ごとするという話を書いていた駒崎さんの新境地(?)。
ご本人曰く、「人生初BL」、編集さん曰く「翻訳モノのゲイノベル」と言わしめた作品らしいですが、泣かされた…。
兄弟同然にNYで育った二人は、ある事件を境に引き裂かれる。そして新たな事件を機に再会を果たすが…。
ってな感じで結構重い事件絡みだったりしますが、主役二人の感情の変化とかがすごくわかり易いので、チクショウってな感じで最後やられます。
ちなみに同性愛ものです。ご注意を。 -
これ本当にもう大好きです!<br>
元々駒崎さんの文章が好きなんですけれど。<br>
このBLともBLじゃないともいえないような、でもやっぱりBLって感じの空気が好きです。<br>
こういう感じのをもうちょっと書いて欲しいなぁ……。 -
BLにしなくても良かったのでは…。
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最近気が付いたのだけれど、全部の著作を持っていて全部の著作を読んでいる作家は今のところ駒崎優さんしかいないのでした。そのことから考えても、私の大好きな作家さんと言うことができるでしょう。作者初のボーイズ・ラブとの触れ込みでしたが、あとがきによると担当さんに翻訳物のゲイノベルのようだと言われたらしいです。翻訳物のゲイノベルを読んだことがないので、そのあたりはよくわかりませんが、ボーイズ・ラブかって言われるとちょっと違うかな、という気もします。表紙が手に取りやすいのも私にとっては良かったです。ボーイズ・ラブが苦手だと言う人も読める本かも。ちなみに、私は職場で昼休みに読みました。(布製のカバーをかけてましたけど)好きだとか嫌いだとかいう部分よりも、人間関係を丁寧に描いていて、読みやすかったです。甘い話が好きな人は、苦手な話かもしれないけれど、読後感はとても良く、あとがきのあとに付いているおまけは幸せな気持ちになれました。