「一宿一飯」地の果てまで (講談社+アルファ文庫 G 94-1)

著者 : 戸井十月

• 講談社 (2003年10月1日発売)

感想・レビュー・書評

[Armadilloさんの感想 · 2010年9月7日]

飛行機で目的地に飛ぶ“点の旅”ではなく、車やオートバイで道を行く“線の旅”の話である。
そこで見たもの、出会った人々、食べたもの。話は世界のあちこちに飛び、“食べる”ということの様々な面を考えさせられた。
アメリカについてはかなり辛辣。
後書きに、パタゴニアで出会ったドイツ人の老夫婦の話がある。
３６０度見はるかす無人の原野、その凄絶な夕焼けを見るためだけに、二人は旅して来たのだと。
「彼らの夕食は粗末に見えたが、しかしきっとおいしいに違いない」…一生に一度、そんな旅ができたらと思う。