科学101の未解決問題―まだ誰も答えを知らない (ブルーバックス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (586ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062572392

作品紹介・あらすじ

なぜ老いるのか?意識とは何か?量子消去現象とは?宇宙はどのように終わるのか?物理学・宇宙論・生物学・医学・進化…あらゆる分野でいま最もホットな話題が何なのか、たちどころに見わたせる待望の一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 著者は物理学者ですが、専門の物理学以外にも天文学、宇宙論、科学、生物学、医学、技術・工学、コンピュータなど本書が出版された1996年当時科学的に解明されていない101の問題のポイントを簡潔に解説しています。
    内容もさることながら、それ以上に筆者のこの著作に対するスタンスをプロローグで説明している内容(トピックス選定の基準や優先順位、この方法論のメリット・デメリットなど)が科学者らしくて信用できます。
    では、個人的に気になった項目を紹介します。
    8.人類はウイルスに勝てるのだろうか?
    今、最もタイムリーな話題ですが、著者のクロージングはノーベル生理学医学賞受賞者の弁を引用「地球を支配するうえで、私たちの唯一の競争相手はウイルスである。そして、その競争で人類が生き残るとは限らない」と辛らつなものです。
    21.タイムトラベルはできるだろうか?
    ホーキング博士はこう言っています。「もし、タイムトラベルが可能なら、未来の文明は当然どうそれを成し遂げればいいのか知っているはず、では、その未来からの旅行者は一体どこにいるんだ?」と現状自己破滅へとまっしぐらの人類を揶揄しています。
    33.ブラックホールはどこにあるのだろうか?
    ブラックホールの存在を証明できたことの最も重要な点は、最も奇妙で一見ありえないような理論的予測が、宇宙観測によって正しいということが証明されたことである。私には「人類の知の限界」を指摘しているように思えました。
    35.冥王星はどうしてこんなに奇妙なのだろうか?
    2006年までは太陽系第9の惑星とされていたが、軌道も含めて奇妙だったので準惑星に格下げされました。
    39.失われた炭素
    大気に流入する炭素量を足し算し、既に明らかな炭素の移動場所(貯蔵庫)や大気中に残る部分を引き算すると、何億トンもの炭素が地球上で行方不明(最も楽観的で都合のいい計算でも5億トン程度の炭素が残ってしまう)となっています。いま世界中で、化石燃料を止めて二酸化炭素の排出量を削減しようとしていますが、行方不明の炭素さえわからない状況で、金と手間のかかる温室効果対策案として本当に実効性があるのか不明です。
    43.南極の氷床は融けてしまうだろうか?
    1993年、南極西部の氷床の下には、富士山位の活火山が存在していることがわかった。もし、これが爆発したら・・
    45.地球の磁場は、なぜ自然に反転するのだろうか?
    磁場の反転の証拠は多く見つかっている(チバニアンもそう)が、仮説はあるが、その本当のメカニズムが未だにわかっていない。
    78.私たちはガンとの戦いに敗れたのだろうか?
    日本での部位別がん死亡率推移をみると、乳がんを除いて男性の死亡率の方が圧倒的に多い。男はかくもか弱く傷つきやすい存在?
    81.新しいワクチンはどこにある?
    本書で初めて知りましたが、ワクチン製薬会社は先進国で高い価格で利潤を稼ぎ、後進国で安く提供するという仕組みがあったのだが、先進国でも保険料の値上げなどでこうした仕組みも機能しなくなったらしい。
    91.なぜちゃんとした電気自動車をつくれないのだろう?
    1996年当時では、時速30㎞しか出ない代物だったのが、今や・・量子コンピュータの考察も同様。
    101.世界は2000年1月1日に終末を迎えるのか?
    いわゆる2000年問題というやつでしたが、ご存知の通り終末とはなりませんでした。

    今から、24年前の著書ですので、未解決問題の一部は解明済みですが、当時の科学的限界値を知る上でも貴重な内容となっています。欲を言えば、電気自動車の話題よりも、全世界が困っている原発で排出される放射性廃棄物の処理についての考察が欲しかった。

  • 20年以上前、20世紀末に次世紀を展望/2000年問題は2038(あるいは2048)問題として再帰している/小惑星の地球衝突などの“当面防ぐすべのない災厄”については無視するとしても、最重要問題の1つに“人類はウイルスに勝てるだろうか?”が挙げられている。変異の早いレトロウイルスにはワクチンが作れない。貧困国では遅効性のエイズより深刻な病気が多々あり支給した治療薬売ってしまう…ガン克服とか遺伝子治療とか自然淘汰に抵抗しようとすると新たに様々な困難が発生する。経済的にも…/太陽ニュートリノ問題は、予想通りNに質量があり「振動」と判断らしい

  • The Edge of the Unknown:
    101 THINGS YOU DON'T KNOW ABOUT SCIENCE -
    http://bookclub.kodansha.co.jp/product?code=257239

  • 101章の未解決問題が561ページのボリュームであります。

    タイムトラベルができるのだろうか

    エイズを治せるようになるのか

    ダイエット脂肪

    など自分の興味のある分野から読むのもおすすめです。

    普段サイエンス系を読まない人は、読んでみるといいかもしれません。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(立花隆選)172
    サイエンス

  • 問題の設定そのものがおかしくないでしょうか。
    未解決という概念で整理するのは不適切な問題もあるかもしれません。
    「ファジー」が役立つことがわかれば、それは「ファジー」ではないかもしれません。

    未解決かどうかは別にして、読み物としては面白いかもしれません。

  • [ 内容 ]
    なぜ老いるのか?
    意識とは何か?
    量子消去現象とは?
    宇宙はどのように終わるのか?
    物理学・宇宙論・生物学・医学・進化…あらゆる分野でいま最もホットな話題が何なのか、たちどころに見わたせる待望の一冊。

    [ 目次 ]
    第1章 最も重要な10の未解決問題
    第2章 物理学
    第3章 天文学と宇宙論
    第4章 地球科学と惑星科学
    第5章 生物学―おもに分子レベルから
    第6章 医学―おもに分子レベルから
    第7章 進化―おもに人類について
    第8章 技術・工学―おもにコンピュータ

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