寄生バチをめぐる三角関係 (講談社選書メチエ 43)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062580434

作品紹介・あらすじ

寄生の標的を探すカリヤコマユバチ、葉を食い荒らすアワヨトウ、「タスケテクレー信号」を放つトウモロコシ、卵を守るためにイモムシを去勢するポリドナウイルス…。昆虫と植物、そしてウイルスが引き起こす奇妙な三角関係とはなにか。マクロな自然空間とミクロの寄生体内。二つの世界に拡がる共生の不思議。化学生態学と生理学の気鋭が描きだす驚異の昆虫コスモス。

感想・レビュー・書評

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  • 1995年刊。著者は高林が京都大学農学部農薬研究施設助手、田中が名古屋大学農学部環境昆虫学教室助教授。著者来歴・表題どおり、本書は昆虫生態系が主題。微小な昆虫でさえ、目に見えない微妙な化学情報ネットワークで、繊細・精緻な生態系を構築。著者らお得意の、この化学生態系の観点で①植物食性昆虫から自らを防衛すべく植物が雇う用心棒昆虫、②寄生バチが寄主昆虫を制御すべく共生ウィルスを利用、これら二つの三面関係を検討。特に、アワヨトウ幼虫に産み付けたカリヤコマユバチの卵を、異物への免疫反応から防衛する化学的方途は驚異。
    ともかく、非常に微小な昆虫、ウィルスなどが、これまた、分子(匂い等)を利用した精緻・精巧・精密な仕組みで、互いに共生したり、対立などしつつ、生存・生殖・次代への継承という目的を達成していく姿には、神々しさを感じずにはいられない。

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著者プロフィール

京都大学生態学研究センター陸域生物相互作用分野・教授

「2012年 『生き物たちのつづれ織り[下]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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