下着の誕生: ヴィクトリア朝の社会史 (講談社選書メチエ 189)

著者 :
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062581899

作品紹介・あらすじ

ピアノの「脚」をも隠蔽したモラル厳しき時代、衣装の下は三キロを超える重装備だった。産業革命、消費社会の到来。未曾有の社会変動を被ったヴィクトリア朝。美女・健康・旅行・自転車・女性誌…。数々のブームが沸くなかで、下着もまた激変した。巨大クリノリン、緊縛するコルセットから健康下着が生まれ、フリルとレースの世界へ…。下着の機能と装飾の変遷に、現代女性の美意識の原点=「肌の解放」を探る。

感想・レビュー・書評

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  • コルセットからブラとパンツへどのように変わっていったのか、それを知るために我々はヴィクトリア朝時代のイギリスへ飛んだ、的な本。下着のランナウェイとでも言うような、きつく締め上げたコルセットが消え去るのは時間の問題だったとは思う。しかし今の見せる下着が生まれた背景には、技術の発達が強く関わっていた。

    鉄道の発達による旅行ブーム。自転車の発明で活動的になる女性。湯沸かし器によってお風呂で自らの肌と向き合うようになる。ガスストーブで重ね着から解放される。電気ランプで夜でも明るい。これらの要素が同時期に出たことによって、下着はより動きやすく、魅せられるものへと進化した。文化とは技術の影響下にあるのだと、再認識させられる。

  • ヴィクトリア時代における女性心理とか社会とかに関する資料をこれでもかとまとめた本。

    それまでのタイトレイシングな世界から徐々に変わっていく話。
    スカートが燃えるとか、ほとんど外に出られないとか拒食症になるとか、
    ぶっちゃけ寒いから脱げないとか。
    そんな時代から、健康的な美とかストーブとか自転車とか鉄道とかレースの量産化とか変わっていく時代に合わせて、の女性目線での意識の変わり方。

  • 卒論のテーマ探しの一環で読みましたが、そのことを差し引いても十分楽しく読めました。
    タイトレイシングの影響すごい!

  • ヴィクトリア朝の時代背景と対する女性達の思想、その中で下着(コルセット)などの衣装がどのように変化していったかについて書かれている本です。女性達がどんどんと活発になっていて大きな変化のあるこの時代。興味ある方なら楽しめると思います。
    文体も読みやすく、分かり易いのでお勧めです。

  • 勉強中にて。昔の人って大変だったんだなあ。
    でもパンツを一番最初にはいた人って
    天才であるのと同時に
    凄い勇気の持ち主だと思いました。

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著者プロフィール

1973年生まれ、東京大学生産技術研究所特任准教授。
主な著書に『銀座と資生堂:日本を「モダーン」にした会社』(新潮選書、2012年)、『エルメス』(新潮新書、2004年)、『下着の誕生:ヴィクトリア朝の社会史』(講談社選書メチエ、2000年)ほか。

「2019年 『映しと移ろい 文化伝播の器と蝕変の実相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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