母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘 (こころライブラリー)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062597050

作品紹介・あらすじ

娘たちが母から解放されるためには、二つのことに気づく必要がある。「私の母はモラ母だ」ということと、「自分は母に愛されていなかった」ということだ。本書に登場する娘たちは、気づくことで母との決別への意志が生まれること、そして生き直すためのスタート地点に立てることを証明してくれた。

感想・レビュー・書評

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  • 最近こんな話ばかり読んでいるが、私の母はモラ母ではない。
    夫婦仲はとても険悪で喧嘩ばかりしており、機能不全家庭であったことに間違いはないが、それでも私は母にも父にも別個であれ愛されて育ったんだと思う。
    ここにでてくるモラ母に育てられた娘たちは、どんなに罵られ蔑まれ支配されていても、ずっと母からの愛情を信じたかったと述べる。母からどんなにひどい扱いを受けようとも、「恩返しをしなければならい」「母を支えなければならない」と、母から離れられずにどんどん自分自身を追い詰めていく。
    でも、いくら苦しんで苦しんで苦しんでも、その苦しみからようやく解放される唯一の手段は「母親は自分を愛していなかった」と認めることなのだ。許すのでもにくむのでもなく、"母を諦める"。
    母と娘は、母と娘であっても別の人間だ。
    私がこうした本を読み続けるのは、それを自分に言い聞かせるためでもあるのかもしれない。娘の立場としてだけでなく、母であることの自覚と心構えを新たに見つめ直すきっかけになっている。
    "母と娘"、その関係性をいつまでも考え続けたい。

  • モラ母を持つ娘として読んだ。ここに書かれているほどではないけど、モラ母の特徴はほとんど当たっていて、自分が間違ってなかったと認識するのに良かった。自分は絶対にこのような母親にはならないように気をつけようと思う。

  • モラル ハラスメントをしてしまう母(モラ母)と、その娘のことについて紹介されている本。

    モラ母は、子どもを自分の思い通りにしたいという思いで、子どもを縛ってしまいます。その縛り方は、実に様々。中には「子ども想いのしっかりとした母親」に見えてしまうことも。

    「落とし穴」がたくさんあり、我々支援者はそこを見落とさないよう気をつけなくてはと思いました。

    「子どもは、生きのびるための最善の知恵を身につける」とのくだりには、胸が切なくなりました。
    子どもなりの「適応」が、その子どもを幸せにするとは限らない。。

    支援者は、ほんとうに気をつけて家庭を見なくてはならないと、気を引き締めた一冊でした。

  • 他人と気軽に話せる内容でもないし、理解される内容でもない。同じような扱いを受け、同じように悩んでいる人がいるって言うことがわかるだけでも、勇気をもらえる1冊。

    疑問を抱くことで、呪縛から解放されるチャンスが生まれる。まさにその通り。

  • 最近、こんなジャンルの本ばかり読んでいる。
    私が思うに、私の母は世間で言うと毒親なのだろう。
    共感できるところがたくさんあった。
    常に機嫌を伺いながらいい子に生きていた子ども時代。それが当たり前だと最近まで思っていたが、違うことに気がついた。

  • こちらも除籍本。

  • この本を読んで、母を棄てられる決心がついたと思う。
    世間的にどうかとか、子として本能的にある親への情念、断ち切る悲しさ、それらがあってでも、自分の命や人生には代えられないのだと。

  • mixiニュースで見つけた本がやっと届きました。

    子どもを産めば皆母になってしまうわけで、産んだらその「母」が育てるしかない。
    素質とか資格とか紹介状なんかもなくても誰でも母になってしまうのです。
    その中にはどう考えても母になってはいけない人もいるはずです。

    読んでいて大変だなーと思いました。
    登場されたかたがたの辛い気持ちは本当によくわかります。

    でも特に後半三人など、明らかに異常な母です。
    悪い人です。

    私が共感するのは(ごめんなさい)信田さよ子さんの「墓守娘」のほうです。そっちのほうの母はいい人(のようにみえる)からです。そのほうがより複雑な感じがします。

  • モラルハラスメントの母を「認識し」あるていど乗り越えた人たちのエピソードいろいろ。
    ひどい、ふつうではない、というのを感じるにはいいかもしれないが筆者は専門家ではないのと、ここに書かれている事例ほどではないと思って軽視しそうで問題解決の手がかりになるかは疑問。
    もうすでに距離をとることに成功している人たちに「対決」を差し向けていたり、カウンセラーに対する不必要な一文が入っていたり、気にかかる。

  •  母娘問題(毒親)に関する本。子どもを自分の思い通りにしたいという思いで子どもを縛ってしまう母親(モラ母)とそのことに苦しみ続ける六人の娘の話。具体的に書かれており、非常に読みやすかった。
     この問題を、もっと多くの人が認識し、社会的にも認知されてほしい。離婚や子の連れ去りなどの二次被害へと拡大していく危険があり、単なる家族(母と娘だけ)の問題ではなく、社会的問題である。誰もが、二次被害に会う可能性がある。
     申し訳ないが、モラ母に支配された人の気持ちは、私には分からない。しかし、それ以外の人、特に、毒親問題や母娘問題を知らない人にこそ、読んでもらいたい。母親に苦しめられている人がいることを。

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著者プロフィール

モラハラ・ポータルサイト「モラル・ハラスメント被害者同盟(2003年開設)」
を管理運営。かつての家庭におけるモラハラ被害者でもある。
http://www.geocities.jp/moraharadoumei/

「2007年 『Q&A モラル・ハラスメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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