沈黙の艦隊(12) (講談社漫画文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062604574

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  • 原子力潜水艦とのやりとりとその後の世界に向けた放送から、主人公海江田の理想が初めて見えてくる。語られている内容は美しく、すばらしい。そういう理想が、軍事という暴力を背景にしか語れないところに、現実があるのだろう。ただし、現実を持って現実をこじ開けたからこそ、彼に理想を語る資格が生まれたのもまた、本当のところだと思う。

    ただ、核のボタンをごくごく少数の者が持つのはやはり怖い。反撃不可能な攻撃力を持つ者がいるとすれば、結局その者が信頼できるかどうか、正気でいるかどうかにかかっていく。最後には冷戦時と同じように、反撃不可能を反撃可能に変える努力をする者も現れるのではないか。あるいは、ボタンを押すことができる者をいかに選出するか、いかに罷免するかの問題ととらえてもよい。

    そう考えると、理想に酔ってしまうのはちょっと怖いと思わざるを得ないのだ。理想の輝きは認めるとしても。

  • タイトルの意味が少し見えてきた??

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著者プロフィール

1948年、広島県尾道市生まれ。本名は川口開治。明治大学で漫画研究会に在籍、在学中の1968年「ヤングコミック」掲載の「夜が明けたら」で漫画家デビュー。卒業後は本格的に劇画作品を執筆、竹中労とのコンビでは本作のほか、「博徒ブーゲンビリア」などを描く。「ハード&ルーズ」で人気を得、87年「アクター」、90年「沈黙の艦隊」、2002年「ジパング」で講談社漫画賞を3回受賞、2006年には「太陽の黙示録」で小学館漫画賞と文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受けるなど、五十年余にわたって第一線で活躍する。他の代表作に「イーグル」「僕はビートルズ」「空母いぶき」など。

「2023年 『黒旗水滸伝 大正地獄篇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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