室町人の精神 (日本の歴史)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 89
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062689120

作品紹介・あらすじ

恨みを忘れず、報復の機会を虎視眈々と狙う人々、くじ引きによる後継者選び、コネと賄賂がはびこる訴訟。公武にわたる権力争いから、家同士の確執・不義密通・自殺未遂・祟りと癒しまで、一見愚行とみえる行いは、いかに歴史を書きかえたのか。財政・相続・贈与・儀礼のしくみを解明しつつ三代将軍足利義満の治世から応仁・文明の乱後までを描く。

感想・レビュー・書評

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  • この書籍は、著者の「桜井英治」氏による室町時代の第三代将軍足利義満から「応仁・文明の乱」までの考察です。

  • 1FI下2奥

  • 中央図書館で読む。この図書館の欠点は、食事です。コンビ二すら、結構距離があります。興味深い本でした。このシリーズには、いいイメージがない。つまらない、専門的すぎるというイメージです。それに対して、この本は例外です。義持は、公家ではなく、武家重視の政策を採用したと言われている。これは、必ずしも、正しくないと指摘している。義満は、関白になるだけの力はあった。同時に、関白にならなければ、朝廷を動かすことができなかった。それに対して、義持は、関白にならなかった。これは、関白になれなかったわけではない。なる必要がなかった。ならなくとも、朝廷を動かすことが可能であった。そういう見方も可能ですね、それにしても、パソコンを持ち込んで書くのは便利です。メモを取り、実家で書き直すのは面倒です。当然ですが、メモは短めになります。それは、いいことではありません。その点、パソコンを持ち込むと、楽でいいです。

  • Lv【初心者】
    ・南北朝と戦国時代の間を知りたい
    ・義満(3)-義持(4)-義量(5)-義教(6)-義勝(7)-義政(8)
    ・この時代の朝廷・天皇・上皇・法皇・公家
    ・応仁の乱

    通史として流れを頭に入れるのに良い本。
    同じカテゴリで紹介する同著者の「破産者たちの中世」と合わせ読みすると面白さ倍増

  • 日本の歴史(12)
    室町人の精神  室町時代
    ISBN:9784062689120
    ・桜井英治(著)
    講談社
    2001/10/10出版
    398p 19cm(B6)


    ◆要旨 (「BOOK」デ−タベ−スより)
    恨みを忘れず、報復の機会を虎視眈々と狙う人々、くじ引きによる後継者選び、コネと賄賂がはびこる訴訟。公武にわたる権力争いから、家同士の確執・不義密通・自殺未遂・祟りと癒しまで、一見愚行とみえる行いは、いかに歴史を書きかえたのか。財政・相続・贈与・儀礼のしくみを解明しつつ三代将軍足利義満の治世から応仁・文明の乱後までを描く。

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    ◆目次 (「BOOK」デ−タベ−スより)
    第1章 神々の戦い
    第2章 「神慮」による政治
    第3章 「無為」と「外聞」
    第4章 徳政一揆
    第5章 酔狂の世紀
    第6章 下剋上の波
    第7章 京都開陣

  • 中世的価値体系の守護者であり破壊者である足利将軍四代記(義満・義持・義教・義政)って感じだね。

    足利義満=皇位簒奪みたいな安易な発想をいさめている点に納得。研究スタイルがとても理詰めな感じで読んでいてロジックに唸らされることしばしば。ただし、2000年代になっても佐藤進一氏の話とおなじ「足利家の狂気の遺伝」みたいな言説が出てくるのはいただけなかった・・。
    全体を通じて、中世を形式を重んじる時代、そしてそれが崩壊していく時代としての足利時代を通史として読み通すことができました。非常に読みやすく、ストーリーができている感じがします。
    単純に事実を追うだけでなく、資料を丁寧に扱っている点も非常に面白いです。史料中心で考古学的な話なんかは出てきませんが、古文書の解析などは史書中心の解析を一歩も二歩も出ている感じがします。
    これが一般的な、かつ戦後直後の史料中心の「通史もの」とこのシリーズの大きな違いかなと思います。史学面白そうだなあ。

    ただ、この本の中の足利幕府の範囲は九州北部〜駿河・越後あたりまで、ということで関東の話はあまり出てこず。住居の周りを調べる手がかりって感じはしなかったなあ。
    最近、身近な中世を調べてみたいと思っている石神井住民。

  • 秀逸な本だと思います。
    スマートに政治史を中心とした通史を書かれています。

    義持・義教といった一見すると安定した時代を無為と外聞をキーワードに腑分けしていく姿勢はさすがだと感心します。
    一揆や徳政をその時代の政治に絡めて読み解いているのも秀逸です。

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著者プロフィール

東京大学教授

「2023年 『日本経済の歴史[第2版]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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