- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062723800
感想・レビュー・書評
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田安徳川家11代当主が書いた幕閣の偉人47人。
明治維新で直ぐ思い当たる薩長の人ではなく、攘夷も含めて幕府側から日本の将来を展望した人々の苦悩などが描かれる。
徳川家でしか書けないトリビアとかもあって、読み易く面白い。
何よりも志し半ばで非業の死を遂げた人達の気持ちが哀しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
徳川御三卿の一つである田安家の血を引く徳川宗英氏によって書かれた本で、幕末の様子を当時の幕閣にいた47人に焦点を当てられています。
以前、「徳川家が見た幕末維新」を読んだときに徳川氏の本を読んで面白かったのを覚えています。
幕末の日本を動かしていた人達には、江戸時代の他の時期とは異なり、外様大名や旗本等の活躍していたので興味が持てる時代です。外国からの圧力や経済が破綻しそうな中で、指導者がどのように考えて行動したかは、現在の日本にも参考にできる点があるのではないかと思います。
昨年末(2012)に選挙で勝って政権に復帰した自民党には、それらの教訓を把握したうえで上手なかじ取りをして欲しいと思います。
以下は気になったポイントです。
・黒船は鉄製の船と思われているが、全艦ともに木造で、外板に黒いタール系の塗料を塗っていた、黒船は全部で4隻で、蒸気船は、サスケハナとミシシッピの二隻、サラトガとプリマスは帆船、サスケハナは3000トンで当時の日本の大型船600トンよりかなり大きい(p24)
・阿倍正弘の政治手腕で特筆されるのは、才能のある若い幕臣を発見して登用したこと、川路聖謨、永井尚志、岩瀬忠震等(p32)
・四天王と言われた井伊直政以来、代々の藩主は三百諸侯の筆頭として幕政の中枢に参加して、幕府の屋台骨を背負ってきた、直弼(なおすけ)はじめ歴代藩主の5人が大老職、直弼の曾孫の直愛氏は彦根市長を長らく務めた(p35)
・井伊家は桜田門外の変の後に、10万石減封(ウソの届け)、京都守護の家格を奪った(p44)
・大政復古の大号令において、新政府の体制は、摂政・関白の廃止して、総裁・議定・参与の三職が設定された、慶喜の名前は無かった(p57)
・徳川一門は、将軍宗家・御三家・御三卿の7家に加えて、徳川慶喜家が創設されてて、徳川八家として続いている(p64)
・参勤交代の例外(いつもは江戸に住んで、用事がある時のみ国元へ出向く)は、多くは小藩の大名であったが、水戸家は大藩での唯一の例外(p66)
・江戸城の最後の主が田安徳川家、引き渡す相手が新政府軍として上ってきた尾張徳川家(p95)
・1811年から日の丸は幕府の船印になったいたが、1854年7月、日章旗を日本国惣船印とすると布告され、これがわが国国旗の起源である、1870年に明治新政府が「日の丸」を国旗として採用した(p133,134)
・薩摩藩は薩英戦争において、旗艦ユーリアラス艦長他八人が戦死、50名程が負傷したという事実もある(p138)
・1859年には日本で二番目の蒸気船が試験された、それ以前にはオランダ人の指導のもとに小型の蒸気船を完成させている(p150)
・小栗忠順は、幕臣時代に70回以上の昇進と罷免を繰り返している、最後に江戸を去った忠順は、群馬県に引きこもって、「今にこの村から太政大臣を出してみせる」と言った(p184)
・1867年6月、新撰組は正式に旗本に加えられて、正式に幕臣に取り立てられた(p216)
2013年1月20日作成 -
徳川家の子孫が書いているから、本書で紹介される人物が
好意的に描かれるのは当たり前。
そう思って読めば、とても面白い。
明治維新があったから、維新側の人たちに
徳川は悪かったというような言われ方をされるけど、
なんだかんだ言っても幕府の官僚たちは優秀だったんだなと思う。 -
幕末、幕府側から見た人物評伝。幕府側にも有能かつ国の行く末を憂えた人物が多くいたことがよくわかる手引き書となっている。特に徳川慶喜その後の徳川家に興味をもった。人物評伝は簡潔で浅いため、もっと掘り下げたものが読みたくなった。
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幕末の人物というのは評価が別れる人が多いが,この筆者はどの人物もできるだけその人物の好評価な点を見つけて書いているように感じられて好印象.
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[ 内容 ]
御三家、御三卿、旗本、外様大名、新撰組など豪華キャストをすべて採点。
[ 目次 ]
第1章 幕府の舵をとった三人の重鎮
第2章 幕府を支えた徳川一門
第3章 幕末の政権を担った老中
第4章 幕府を揺り動かした外様大名
第5章 時代を切り開いた旗本と幕臣
第6章 武士の意地を通した藩主と幕臣
第7章 明治への懸け橋となった幕臣
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