日本は世界1位の金属資源大国 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062727099

作品紹介・あらすじ

膨大な海底資源と「都市鉱山」で超高度成長。主要レアメタルは埋蔵量比で世界上位を独占。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で借りた。都市鉱山について調べた2冊目。
    この本はタイトルの通り、「実は日本には資源が沢山眠っているんだよ」を繰返し語っている。科学的な解説や、リサイクルを実用的に唱えられている訳では無いので、穿った見方かもしれないが政治色を感じた。

    尖閣諸島のキッカケとなった事件は覚えているが、レアアース輸出禁止になったのは覚えてなかったので、その点は勉強になった。

  • 感想歌 都市鉱山使用中済散逸は費用莫大英知低迷 鉄ガラス紙アルミニウム回収す資源輪廻は電気炉大事

  • ゴミとして扱われる家電製品からリサイクルにより金属を回収するという「都市鉱山」と海底鉱床や海水中に含まれるレアメタルなどの「海洋資源」に着目し、日本の金属資源大国としてのポテンシャルを指摘している。
    目のつけ所は良いと感じたが、比較対象が、日本は回収可能性を度外視(散逸ストックも含んでいる)した都市鉱山における埋蔵量なのに対して、他の国は地下資源埋蔵量だけであるという誠実でない分析を行っている点や、都市鉱山や海洋からの資源回収への道筋がまだ十分には見えてこないという点など、物足りなさも感じた。

  • レビュー省略

  • 20万部突破のシリーズ第3弾
    もうすぐ中国が頭を下げてくる!!
    膨大な海底資源と「都市鉱山」で超高度成長! 主要レアメタルは埋蔵量比で世界上位を独占!!

    都市鉱山を「資源」とした場合、日本にはどれほどの鉱物資源が埋まっているのか。「日本の金、銀の資源量は世界第一位」となるのだ。独立行政法人物質・材料研究機構の調べによると、地下資源としての金の世界埋蔵量は四万二〇〇〇トン。これに対し、日本の都市鉱山としての金の蓄積量は六八〇〇トン。世界の埋蔵量に対する我が国の金の都市鉱山比率は一六・一九パーセントとなり、その量を埋蔵量国別順位で見ると世界第一位に値する。また金だけではなく、銀の日本における都市鉱山の蓄積量は同じく世界第一位。加えて、アンチモン、インジウム、あるいはプラチナなどの白金族といったレアメタルも、日本は世界有数の資源国に匹敵する蓄積量を有するのである。

    ●アンチモンは埋蔵量比で世界4位
    ●タンタルはカナダを抜き世界3位
    ●膨大なレアアースを含む海底鉱床
    ●「都市鉱石」と呼ばれる粉
    ●埃をかぶった家電が日本を救う
    ●「原子炉錬金術」が実現する日
    ●燃料電池の核となる鉱物も大量に
    ●市場を席巻する日本の蓄電池技術
    ●次世代自動車はレアメタルの塊
    ●新技術を前にかすむ中国の戦略

  • まずまず。
    地震の前の本で、状況が変わってきている。
    日本は、金銀の保有量が世界一らしい。

  • 日本の未来にちょっと希望が持てるような気になれました。

  • 中国のレアアースは、埋蔵量でいえば世界全体の30%程度。しかるに国別生産量では世界シェアの9割を占めている。言うまでもなく他国との競争で優位に立つための戦略的ダンピングによるものである。恐るべくは、さらなる市場の寡占化を進めるべく、海外のレアアース会社を傘下に収めるなど、着々と手を打っていることである。加えて産業上は必須でありながら資源量が少ないクリティカルメタルもその多くを中国に依存している。静かに進む中国の世界資源戦略に底知れる恐怖を覚える。
    他方、日本は、地下資源の埋蔵量では圧倒的劣位にあるが、都市鉱山の埋蔵量では、たとえば金の埋蔵量でも世界第一位となる。また、日本の広大な海には海底熱水鉱床やコバルトリッチトラストと呼ばれるレアメタルに富んだ海底鉱床が存在する。日本は自国の豊かな資源を開発することで、中国に依存しているレアアースを国内で調達することさえも可能なのだ。しかも潜水技術、ロボット技術に続き海底鉱物資源の開発において必要となる掘削技術は世界トップクラス。海水から採取できる鉱物もリチウム、ウラン、コバルトなど多彩であり、日本に流れこんでくる黒潮が運ぶコバルトは世界の年間コバルト消費量にも匹敵する。地中に埋まっているものだけが資源ではない。日本には都市鉱山、海洋資源、蓄積された英知とさまざまな資源ポテンシャルがある。資源がない、ないと言われる日本が地下以外に目を向ければ実は資源大国としての大きな可能性が秘められている。現状ではすべての鉱物資源を回収・抽出できるわけではなく、技術的には課題は山積である。それでも、昨日は不可能なことも今日は可能になることは、歴史が証明している。日本の英知に日本復権の夢を託したい。

  •  日本はよく資源小国だと言われる。採掘できる資源から言えばその通りだが、商品に使われている資源の点から言うと必ずしもそうとは言えない。日本には、使わなくなった家電製品などお宝の山が埋もれている。今回の本は、日本が金属資源の宝庫であることを改めて感じさせる。

     独立行政法人物質・材料研究機構のデータが著書に載っている。そのデータを見ると、「日本の都市鉱山」としての金の蓄積量は6800トンで、世界第1位で、銀に関しても世界第1位という結果が出ている。意外というのか、経済大国だけにいろいろな資源が使われている商品が大量に国内に入るので、さもありなんとも思った。

     都市のみならず、海底にも鉱物資源が埋もれていると著者は指摘している。採掘技術力で日本は優れているとある。後は、どこかの国にかすめ取られないよう対処する政治力を如何に発揮するかにかかっている。あの原発事故から露呈したように、いくら技術力があっても、それを使いこなす人間に能力がないとどうしょうもないことが分かったのだから。

     

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著者プロフィール

東京財団政策研究所 主席研究員
日産自動車株式会社勤務を経て、2000年東京財団研究員兼政策プロデューサーなどを経て現職。外交・安全保障、資源エネルギー分野のプロジェクトを担当。

「2023年 『異次元エネルギーショック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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