住んでみたヨーロッパ 9勝1敗で日本の勝ち (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062728669

感想・レビュー・書評

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  • まだ一度も足を踏み入れたことはないが、食についても、歴史あり、情報発信源であるヨーロッパ。Time Machine理論でヨーロッパ経済について学ぶことは、今後の日本経済に起こることの参考になると思い、気にはしているが、一般の人々の生活はなかなか知る機会がない。
    そんな中、日本人が書いたヨーロッパの生活書籍が平積みされてあったので、手に取ってみた。

    なるほど、読めば読むほど、日本は良い国であることがわかってくる。詳細は読んでいただきた。

    しかし、今後はグローバリゼーションの波に飲み込まれていくのは免れないことであろう。となると、この本に書かれていることがやはり起こってくるのであろうか。

    その時、ドイツの方式を選択するのか、ノルウェー方式を選択するのか、日本方式として新たなやり方を考えるのか。日本にいながら、考えさせられる一冊となった。

  • 現地に長く住んでいるだけあって体験に則した内容になっていて、今のEC及びヨーロッパの闇の面がリアルに述べられている。
    同性婚、宗教(教会に納税してるなんて!教会で挙式を挙げられないなんて!)、不法侵入者問題等昔からある問題を現代の情勢で説明されており、本当に興味深い。
    日本の素晴らしさは個々の弱さの裏返しではあるけど、僕も日本らしさって素敵だと思う。

  •  ドイツとの比較であった前作に引き続き、今作はヨーロッパの国々と日本を比べたものである。
     やや政治色の濃かった前作と比して、今作はより主題に集中している感があり、求めていたものが読めた気分がして大変安心した。前作を読んだ折りは、当てが外れたと思ってしまったのだ。

     内容的には、著者個人の体験をベースにした比較であり、それはヨーロッパという地で生活する人が見た別個の社会の比較であるということに他ならない。
     ヨーロッパで大々的に報道された事件などを、我々が日本で報道された事件を見るのと同じような感覚で読み解いているのは、非常に面白いところである。
     新刊であるから、より現況に則した内容であるし、いま読むに当たっては読み応えのある内容だろう。

     こちらは文句なしに星五つである。大変楽しい読書だった。

  • ヨーロッパの文化の方が優れていると思い込んでいる人は是非読むべし!

  • 相変わらず、このタイトルはどうにかならんか。それ以外がすばらしいだけに、著者でもない一読者にすぎないが本当に悔やまれる。

    「最近の日本では自画自讃が横行している、まるで戦前の国粋主義だ、ぐんぐつの足音ガー!」などとうそぶく連中の恰好のカモのようなタイトルだが、本書はそのような輩にこそ読ませたい本物の「比較文化」論だ。そして、連中の頭の中にしか棲息していない「プロパガンダに踊らされているバカ」がもし実在していたならば、「これのどこが『俺sugeeee』なんだよ! 話が違う!」と不満を抱くことだろう。

    前半生は日本で日本人として育ち、その後30年以上、ドイツでドイツ人たちに囲まれて過ごした。友人も、配偶者も、それどころかみずから生んだ娘たちさえ「中身はまったくのドイツ人」。著者が日本とドイツの両方を、とてもよく知っている人間であることは疑う余地がない。その知見を用いて、両者の良いところ・悪いところを忌憚なく書いている。本書はそれだけの本だ。ナショナリズムだの、依怙贔屓だのは微塵もない。
    「私の経験では、ドイツはこのようなところだ。こことここはすばらしい。しかし、ここはダメだ、不便だ」「また私の経験では、日本はこことここがすばらしい。ヨーロッパでも類を見ない、ということはこのこの点においては、世界でも有数の水準だろう。しかし、ここはいただけない」本書ではもっぱら、著者自身の経験をマクラにした、このような感想群が綴られる。
    同じ事象について一方をこきおろし、直後に他方を褒めちぎるといったことはない。本書で比較されているのは「文化(の違い)」であり、「国」ではない。

    ただ、日本には他のどこにもない独特の沈黙と含羞と謙遜の文化があり、それゆえに国際的な交渉の場ではどうしても押し負けることが多い。そこが著者には、どうにも歯がゆい。「伝統的美徳も結構だけれど、外に出たらそれではダメだ」とくり返し警告する。強いて日本贔屓と呼ぶなら、ここだけがそうだと言えるだろう。グローバルスタンダードのように「黙ってる奴が悪いんだ、勝手に踏みにじられてろ」とは言わない。
    それすら国粋主義で、依怙贔屓で、「ぐんぐつの足音ガー!」と悲鳴をあげる人とは、話すことはもう何もない。

    良いことは良い・悪いことは悪いとはっきり言える日本人。
    日本の性格や長年の慣習を鼻で笑ったりせず、きちんと(しかし必要以上に持ち上げることもなく)尊重した上で、外国流のタフなプレゼンや交渉のスキルでそれを発信できる人。
    私にとって、著者は「理想の日本人」である。タイトルに脊髄反射せず、ちゃんと内容を読んでもらえれば、きっとそれがおわかりいただけるものと思う。

    2014/11/3読了

  • 共感するところもあれば、そういうことか!と納得したり、初めて知ってショックを受けるなど、知識欲も満たされすごく楽しく読んだ。特に、ロマの話は衝撃的で、教育も受けられなければ職も得られない、生まれた時から運命が決まっている、その閉塞感に改めて絶望的な気持ちになりました。イタリアでロマの女性がこちらをじっと睨む眼差しを見たときは、ショックだったけど…その背景をこの本で知り、本当にいたたまれなくなった。
    世界には私が思いもよらないような問題がまだまだあるんだろうと思う。日本のことだって、知らないこと、国外からは違う見方がされてることはたくさんある。関心はあれど、努力しないと情報は得られない。その努力は絶対に惜しみたくないと、改めて思いました。

  • 根拠が主観でなかなか納得しずらい。体験談は本になりゆるだなと思った。

  • 2018.4.9 ブックいとう 100 円

  • ほんとに面白かった!
    大学では日本の劣っていることを沢山学ぶので題名を見た時はそんな事ないでしょと思ったけど「外から見た日本の姿」を知ることができ日本も負けてないと思った。
    読む順番間違えたので次は8勝2敗の方を読みたい!

  • 住んでみたドイツ~ に続けてこちらも。

    ドイツ編に比べ政治的な話は少なく、日常生活の考えから思想の大元となった歴史の話が多め。

    他国の文化や生活が知りたくてこの本を手に取ったので、そういう意味では当たりでした。へーーと思う内容が多い本です。

    作者独自の考えを歯に衣着せぬ語り口で綴っており、あくまでも一個人の意見として軽い気持ちで読むのが良いと思う。



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著者プロフィール

作家、ドイツ・ライプツィヒ在住。日本大学芸術学部卒業後、渡独。1985年、シュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。2016年、『ドイツの脱原発がよくわかる本』で第36回エネルギーフォーラム賞・普及啓発賞受、2018年に『復興の日本人論 誰も書かなかった福島』が第38回の同賞特別賞を受賞。近著に『メルケル 仮面の裏側』(PHP新書)、『無邪気な日本人よ、白昼夢から目覚めよ』(ワック)などがある。

「2022年 『左傾化するSDGs先進国ドイツで今、何が起こっているか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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