創竜伝(12) 竜王風雲録 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (362ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062738217

感想・レビュー・書評

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  • 田中芳樹氏、趣味に走る。
    宋の時代に舞台を移し、竜堂兄弟が躍動する。登場人物は竜堂兄弟(本作は彼らの正体である竜王の名前での登場だが)と大真王夫人以外は歴史上実在した人物達で彩られ、中国歴史小説である。つまり本作は外伝に当るであろう。
    本作が上梓された頃の田中氏の活躍の舞台はファンタジーや戦記物よりも寧ろ中国歴史小説、特に史上の英雄たちを描く事に腐心しており、今回の創竜伝もその延長上で書かれたようだ。憶測するに、創竜伝の新作の執筆を依頼された時に、興味が中国歴史小説に偏っていた作家が当時のマイブームと実益を兼ねて勢いに任せて書いたのではないだろうか。エンディングの最後に急に現代の物語で締め括られるのがその証左であるように思えるのだが。
    内容はしかし、面白くはあった。宋という史上ではマイナーな時代を舞台にその豊富な知識をベースに様々なエピソードを語り、興味を尽かせない。しかし、このことは裏返せば、作者の見聞き知った知識を存分にお披露目したに過ぎず、小説の結構としては二流の部類に入るだろう。それでも一般の読者をも愉しませる技量は賞賛に値する。
    そろそろ創竜伝も佳境に入ったことだし、他の諸作品群とは例外的にきちんと最後まで完結していただきたい、願うのはただそれのみである。

  • 9巻の続き、過去篇。宋の時代で竜堂兄弟が大暴れ。歴史上の人物も出てくる豪華版である。
    正直、現代篇よりも面白かった。おそらく、しつこすぎる政治家批判が少なかったからかも。兄弟の性格や物言いが現代篇より若干シャープというかスクエアというか、そういう設定なのか、単に作者が性格付けを忘れかけているのか…。皆少しずつ砕けているようで、こちらの方が好きかもしれない。

  • 今回はほぼ全編に渡って過去のストーリーになっています。

    時空の隙間に落ちた長男の青竜王を追って、三男の白竜王が宋の時代の中国へと降り立ちます。そこには、摩馳と稜騰という邪神がひそんでおり、青竜王と白竜王はやはり人間界に降りてきていた太真王夫人の協力を仰いで、邪神退治の戦いを繰り広げます。

    現代編のストーリーはほとんど進んでいませんが、過去編は現代編ほどストーリーがぐちゃぐちゃになっていないためか、武侠小説として楽しく読めました。

  • 三男坊の「長兄を訪ねて三千里」。
    天界組と地上組がお互いを思うところがいいですね。

  • 面白かった。久々に創竜伝で笑った感ですね。それにしても玉傘聖呪・・・3324字もあれば終くんでなくても覚えれませんよねぇ。

  • 前世的9巻の続き。待ちに待った巻でした。話はもちろん宋の文化も興味深く楽しめる一冊。

  • 2009年3月28日読了。

    徐々に終盤に近づきつつありますね。
    しかしまだまだ謎の中・・・

  • 奈津子さんの回じゃなかったと思う・・

  • …最新刊(↑)が出たので一緒に載せてみる。<br>
    しかしこの巻を買ったか覚えていないんでうしょねー…出るのが遅いんだもん…!(暴言)<br>
    うーん、11巻は買ったって覚えてるんだけどなぁー…12巻、余君好きだから買ったかな?(曖昧)

  • 初めて手に取った田中作品vこれがきっかけで中国モノが好きになりました。文庫派です 続刊切実に希望!

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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