ことばで「私」を育てる (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062754118

感想・レビュー・書評

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  • 2015.5.4 読了

    どんなにうまく話せたとしても、相手にわかってもらえなければ、そこには自己満足しか残らない。四国徳島祖谷の粉ひき唄のお話。

  •  
    ── 山根 基世《ことばで「私」を育てる 19991208 20060516 講談社文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4062754118
     
    ♀加賀美 幸子 アナウンサー 19400624 東京  /~《アーカイブス》
    ♀山根 基世  アナウンサー 19480322 山口  /~《映像の世紀》
    ♀森田 美由紀 アナウンサー 19591108 北海道 /~《芸術劇場》
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20040919
     NHK三人娘 ~ 誰が青春を奪ったのか ~
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%BB%B3%BA%AC+%B4%F0%C0%A4
     
    (20150407)
     

  •  わが師を主人公にして描いた学習権を考える映画「かすかな光へ」のナレーションをされたアナウンサー、そして師の作った子ども図書館を二度にわたって訪ねてくれる彼女の書と知り、購入。
     ことばを通じて人が人とかかわり、ことばをよく使うためには自分を高めていかなければならない、それをご自分の生き様を通じて伝えてくれる書だ。
     ことばがテーマであるが、それにとどまらず、どう生きるか、どう人とかかわるべきかを問う、哲学的意味のある書として読ませてもらった。

  • 「正しい日本語」とか「日本人は」というようなのが最初のほうでは気になった。が、だんだん話にひきこまれた。

    月1回の放送を聞いたあとに、いつも便りを下さったという先輩の話。生徒の名をいまもフルネームでおぼえている先生の話。取材で会った魅力的な人のことを話すと、ぜひまた会いたいと思う相手には自分から働きかけなきゃとアドバイスしてくれた先輩のこと。世代による言葉の受けとめかたのズレ。インタビューの醍醐味。書かなければ生きられなかった雫石とみさんの話。

    ▼「あのころはワープロもコンピュータもなかったからね。出席簿から通知表から連絡帳から、一人の子どもの名前を一年の間、何十回何百回と書きよったから、いやでも頭に入るよね。いまでも担任した子の名前は、全部フルネームで言えるよ」(pp.162-163)

    ▼「私たちは毎日のようにいろんな人に会うけれど、そんなに魅力的で、ぜひまた会いたいと思う相手はそうそういないものよ。だからそう思ったとき、電話一本かけるなり葉書一枚出すなりして、自分のほうから働きかけていかなきゃダメよ。ステキだわって思っているだけじゃ何もはじまらないんだから」(p.247)

    ▼「やっぱり、ものを書くようになってからいろいろなことを感じてきましたね。その前、上野で浮浪してバタ屋をしているころなんか、虚無感と虚脱感で何も考えず、ただその日その日を生きていたんですよ。つらいことや悔しいことがあっても、いっぺんぎりに忘れてね。ただずるずるに生きていただけですよ、犬や猫と変わりなく。こうしよう、ああしようなんて考えたこともなかった。ものを書くようになってから、本もたくさん読むようになったし、いろいろなことを考えてきましたね」(p.308)

    次は雫石とみさんの『荒野に叫ぶ声』を読んでみようと思う。

    (3/18了)

  • 山根基世さんのエッセイ集です。
    講談社文庫になっています。
    短いものがたくさん収められています。

    「ことばを支えるもの」
    外国を回ってガイドさんに説明してもらうことの多い山根さんですが、時間が経って心に残っているかどうかには違いがあります。
    自分の身体の中に入り込んでいる知識をもとに自分のことばで語っている場合は心に残るといいます。
    歴史の年代を覚えておく意義も書かれています。
    ハンガリーで何かが起こったときに日本では何時代だったというと伝わります。
    世界史を縦と横で学習する意義です。

    「性格のきつい人とのつきあい方」
    きつい性格というのは独立してあるのでなく、相手との関係によって生まれるということです。
    突然怒り出す人は誰にとっても苦手なものですが、自分のどこがいけなかったか反省するのも大切ですが、あまり自分を責めない方がいいとも言えます。
    こういう人に対しては、あくまで礼を失しないよう挨拶はきちんとする。しかし、半径1メートル以内には接近しないようにするということです。
    精神的に近づかないからこそ、善い関係が保たれるということもあるというわけです。

    「大人の女の条件」
    情報管理ができることが大人の条件だと山根さんは言います。
    イザコザの原因は、お金と異性と「ことば」に因るということです。
    届いてはならない情報が届いてはならない人のところに届くから大騒ぎが起こるわけです。
    これを届ける人、口の軽い人、秘密を守れない人、こういう人を「大人でない」と言います。
    もめ事が絶えないのはこういう人がいるためです。
    誰かを不幸にする情報なら自分のところで留め置くことができる人が「大人」だというわけです。
    伝えなければならない情報はきちんと伝えることも大切です。
    伝える相手を間違えないということも大切です。
    これは男女とも言えることです。


  •  著者の山根さんには実際にお会いしたことがあり、
     お話を伺いました。
     
     とても言葉の使い方が美しい方で、
     言葉の表現力が豊かなる、私の教科書です。

     
     元NHKアナウンス室長
     2005年大晦日 第56回NHK紅白歌合戦 総合司会を担当。

  • ことばが人に与える影響ってほんと大きい。ことばの奥は深い。

    07/06/26

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著者プロフィール

早稲田大学卒業後、NHKに入局。ニュース、ナレーション等多くの番組を担当。退職後は、子どものことばを育てる活動を続けている。著書に『感じる漢字』『山根基世の朗読読本』、翻訳絵本に『このてはあなたのために』『きっときっとまもってあげる』『ちっちゃな木のおはなし』など。

「2020年 『山根基世の朗読読本2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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