世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか (講談社文庫)
- 講談社 (2010年9月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062767132
感想・レビュー・書評
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酒田は「山形の中でまあまあでっかいけど、たぶん普通の地方都市」くらいの認識しかなかったけれど、そのイメージが少し変わった。久一がグリーン・ハウスやル・ポットフーをプロデュースする場面は痛快で面白い。アイデアマンとして久一を尊敬する。才能があっても、最後はやっぱりお金なんやな、と最後は少し寂しかった。
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淀川長治が世界一だと羨んだ映画館「グリーンハウス」と、開高健がその味を絶賛したフレンチレストラン「レストラン欅」「ル・ポットフー」を山形の酒田市に作った男がいた。佐藤久一がその男。その佐藤久一の人生に足を止めたのが、著者の岡田芳郎。岡田氏は、電通時代、大阪万博でパビリオンの企画をやった広告マンで、電通を退社した後にライフワークとしてこの本の取材に取り掛かる。岡田氏は、「無理難題プロデュースします」(早瀬圭一著/岩波書店)で伝説の人物と紹介されている小谷正一の直系の広告マン。佐藤は、1997年1月に亡くなった。グリーンハウスは火災で焼失したが、レストランは2店現在も営業している。佐藤久一のダイナミックな人生に憧れ、とにかく山形に行って、今もあるフレンチレストラン「楓」「ルポットフー」に行って食事をしたくなった。本を読んだ後に、すぐに山形行きの高速バスを予約した。そして、酒田市のル・ポットフーでランチを食べた。ランチを堪能した後は、佐藤久一が眠っている墓参りに行ったが大雪で、墓石が半分ほど隠れてしまっていて見つけることはできなかった。2014年、2月7日。帰りの高速バスは大雪のため運休になり、新潟経由で東京まで新幹線で乗り継いで帰った。この日、東京は、歴史に残る大雪だった。
(日本ブックツーリズム協会 テリー植田) -
この恐ろしく長いタイトルの本を書店で見かけたとき、身体中に電流が走るのを感じました。