訣別の森 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062770453

感想・レビュー・書評

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  • 本書を一言で説明するのは難しい。が、やはり北海道自然愛、とりわけ知床の自然愛と自衛隊愛だろうか。
    ヘリ部隊の隊長であった??はある事件がきっかけで自衛隊を除隊するが、その後も自衛隊ヘリ部隊の繋がりで、民間ヘリサービス会社でパイロットとして再就職。業務の一環で携わったドクターヘリ業務において知り合った医師の??と懇意になるが、過去の事件から今一つ踏み込めない。そんななかドクターヘリの業務終了後に事件に巻き込まれていき、それが過去自衛隊時代の人間関係を明らかにしていく。巻き込まれた事件は知床を原始知床に戻す壮大な計画であったが、ロシアマフィアとのかかわりから殺人を含む事件に拡大していくのだ。
    恋愛関係は小説ならではの、常軌を逸した世界が広がるが、まあ、ストーリーを繋ぐネタとしてはあってもよい。オオカミを自然保護のネタに使う発想は、本書のポイントの一つかもしれない。スケールが大きいし、展開が早いのでどんどん引き込まれるが、読後感としては印象が薄いかもしれない。

  • 訣別の森/末浦広海:第54回大賞受賞。2008年。
    北海道は知床あたりを舞台に、ドクターヘリ、ナース、自衛隊、ロシアマフィア、ヤクザ、自然保護団体、オオカミを絡ませる壮大なストーリー。
    ロシアから密輸入されたオオカミの子は、人間に育てられ、知床の自然に調和していくのであった。犬死ではない。

  • 北海道 ヘリの救助に向かった救助隊員

  • 個人的にミステリはこのミスより江戸川乱歩賞の方が好みのものが多いんだけど、今回はミステリ要素少なかったな~。
    自衛隊絡みということで福井晴敏のTwelve Y.O.みたいなものを期待してたんだけどどっちかっていうとレイチェル・カーソンですな。

    読み応えはあったんだけど、これミステリどころかサスペンスでもなかろう…
    ドクターヘリがマスコミの墜落ヘリを見つけたというあたりですごいわくわくしてたんだけどなぁ。

  • 話しのテンポは良かったけど、盛り上がりに欠ける、、、エピローグのカムイとモモの話は良かったなぁ。

  • 最後の盛り上げ方が・・・、残念。
    謎という部分も物足りない。
    でも、テンポよく話は進んでいきました。

  • ドクターヘリ×知床+オオカミ すっきりしない。

  • 過去の人間関係を背負った医療ものかと思って読み始めたら、ハードボイルドな話でした。
    登場人物が多く、ちょっと混乱しましたが、人と人の繋がりが分かると話が面白くなってきます。
    ちょっとオカシイ考えの登場人物が多いかな。
    話の筋は面白かったけど、筋トレとかバイクの詳細は不要。ダラダラ書かれているので、そこはざっくりと読み飛ばしました。

  • 槇村が、飛行中に墜落したヘリを発見し救助したことから話が動き出す。
    槇村の過去が武川・佐智子を動かし、信田の過去が若林・藤原を動かす。

    なかなかテンポがいい。クライマッスクに向けて全てが見えてくる。
    自分の知らないところで、自分を守ってくれてる人がいる。
    後悔は初めの事件の処理。ここが全てかな、まぁ~結果論だが・・
    だが最後はいらないな。


    槇村博樹・・・元自衛官、現在民間ヘリのパイロット。
    信田豊・・・元自衛官。現在民間ヘリのナビ。
    武川一恵・・・元自衛官(槇村の部下)。
    藤原聡・・・自衛官
    小久保佐智子・・・ドクター

    若林弘幸・・・麻薬売人。

  • 北海道の大自然でドクターヘリを操縦する元自衛官、事故に端を発する関係者の失踪、自然保護の裏に潜む陰謀も絡みスケールの大きい話に仕上がってます。結構面白く読ませていただきました。

著者プロフィール

末浦広海

1964年兵庫県生まれ。88年関西学院大学経済学部卒。2008年に『訣別の森』で第54回江戸川乱歩賞受賞。著書に『捜査官』『白き失踪者』『檻の中の鼓動』『刻命』『暗躍捜査 警務部特命工作班』、「キャップ・嶋野康平シリーズ」「警視庁東京五輪対策室シリーズ」などがある。

「2021年 『君と、君がいる彼方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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